貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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決算書からJR東日本の経営を見てみよう!

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wikipediaから引用

 

先回は、JR東海(東海旅客鉄道株式会社)の決算書を見てみましたが、お隣の会社JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)の決算書も見てみましょう。(以下は平成31年3月期の決算短信から引用したものです)

 

JR東日本の営業エリアは、関東、甲信越から東北までの広範な地域をカバーし、営業キロ数は 69線区延べ7,457.3kmにおよび、1日に約1,770万人がご利用しています。JR東海の営業キロ数が1,970.8kmですので、その3.7倍の長さです。JR全体の中でも1番の長さになります。

 

広大なエリアを持っているだけあって、売上高もJR全体の中で一番多く、3兆20億4300万円です。ちなみに2位のJR東海が1兆8781億3700万円になります。JR東日本の営業利益(本業の儲けを表わす数値)は4848億6000万円になります。

 

各事業所の売上と営業利益を見てみましょう。大きく4つの事業所に分類されます

運輸事業 →鉄道事業を中心とした旅客運送事業のほか、旅行業、清掃整備業、駅業務運営業、設備保守業、鉄道車両製 造事業および鉄道車両メンテナンス事業等
流通、サービス事業 →小売・飲食業、卸売業、貨物自動車運送事業および広告代理業等
不動産、ホテル事業 →ショッピングセンターの運営事業、オフィスビル等の貸付業およびホテル業等
その他 →クレジットカード事業等のIT・Suica事業および情報処理業等

 

グラフ内の数字の単位は百万円です。

まずはJR東日本の売上高です。

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続いて営業利益です。

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2つのグラフを見比べると、不動産ホテル事業の収益率は良さそうですね。決算書を見ますと「ペリエ千葉の全面開業に伴う増収効果やホテル業の好調などにより」とありました。千葉駅直結のショッピングセンターができたことや、インバウンド効果がホテル業の収益アップにつながったようです。

 

JR東海は運輸事業の営業利益の占める割合が94%だったことを考えると、JR東日本は運輸事業を軸として、他の事業もバランスよく収益を得ていますね。というかJR東海が特殊なんでしょうが…。

 

決算書には、「その他」に含まれているSuica電子マネーについては、「吉野家」などの広域展開するチェーン店やタクシーへの導入を進めるなどの加盟店開拓に積極的に取り組んでいるようです。2018 年7月にはSuica等交通系電子マネーの月間利用件数が2億件を超え、過去最高となるなど利用者も増え続けている模様です。

 

日本はこれから少子高齢化が進み人口が減ってゆきます。それゆえ東北や北陸などでの売上は難しくなるかもしれませんが、東京圏は人口が増え続けていますので経営状況は他のJRに比べて安定しているのではと思われます。品川や渋谷などではこれからも開発が行われ、ますます人や物が集まってくることでしょう。

 

また、海外展開という点ではインドの高速鉄道プロジェクトに参画し、日本で新幹線を運行してきた経験からサポートが行われています。英国やタイ、インドネシアなどのプロジェクトにも参加してきました。国内だけではなく、海外にも販路を広げていますね。

 

JR東日本の経営ビジョンは「変革」ということですので、どのようにJR東日本という大企業が変革してゆくのか、また私たちの暮らしにどのような変化をもたらしてゆくのか楽しみにしたいと思います。

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