写真はwikipediaから参照
私は空港が好きで千葉に住んでいた時はよく成田空港に遊びに行っていました。ちなみに好きな航空会社の塗装はコンチネンタル航空で、現在はユナイテッド航空になりましたが尾翼に描かれている“地球”のマークがかっこいいなと思っていました。
そもそも飛行機というのは、腐食から機体を保護するために塗装をするのですが、青や赤などを前面に出した機体はさほど多くはありません。JALもANAの機体も7割くらいは白い塗装で覆われています。なぜ白い部分が多いのでしょうか?
それはコスト面で白色は優れているからです。といいますのも、青色や赤色などを施す場合、まずは白地に重ね塗りをする必要があります。となると塗料も2つ必要になりますから費用がかかります。またあれだけ大きな機体ですので、塗料だけでもかなりの重量になり、重量が重くなればなるほど燃料を食いますので、少しでも機体を軽量化したい多くの航空会社では白メインでの塗装が好まれています。
また、機体を整備するうえでも白色には利点があります。オイル漏れや腐食も白色なら見つけやすいですので、整備面や安全面においてもメリットがあります。確かに濃い色だと視認性が悪くなりますからね。そして白色は、清潔感をもたらします。
しかし、以前には塗装自体しない航空会社がありました。それがアメリカン航空です(垂直尾翼は塗装)。ポリッシュド・スキンを採用し、垂直尾翼にはAA(American Airlinesの頭文字)と鷲のロゴが描かれていました。金属むき出しの機体です。初めて空港で見た時に、「なんてスタイリッシュな機体なんだろう」と思ったものです。
写真はwikipediaから参照
ポリッシュド・スキンは無塗装で、そのままだと腐食しやすいため定期的に研磨剤を使って磨く必要があります(ポリッシュド・スキンとは“磨く肌”ですから)。磨いて汚れを落とし、表面に形成される酸化皮膜を利用して、腐食防止と光沢維持を図っています。ですからとてもピカピカな機体なんですね。
なら、「すべてポリッシュド・スキンにすれば塗料代もかからないし、軽量化になるじゃん!」と思いますが、研磨剤で磨く作業は全て手で行われるため、膨大な手間がかかります。ここでかなりの経費がかかってしまうんです。そのため現在のアメリカン航空はポリッシュド・スキンを止めて銀色の塗装へ変更しました。
機体はその会社のイメージにもつながります。ほとんどが黒色で覆われているスターフライヤーや、半分がピンク色のピーチアビエーション、ほとんど白色を使っていないサウスウエスト航空など、色で特色を出している会社もあります。
皆さんもこんど空港に行く機会がありましたら、各航空会社の塗装にはどんな模様や色が施されているのか見てみてください。