写真:wikipedia参照 (L0系)
最近、リニア中央新幹線(以下、リニア)の問題で取り上げられているのはJR東海と静岡県の対立で、静岡県側はリニアを通させないと反対表明をしています。それによって開通時期が延期になりました。ちょうど静岡県にリニアが通る場所(山)が大井川の水源のようです。トンネルを掘ることで大井川の水量が減って下流域に住む人々への影響がでる可能性があるからというものです。
リニアの通る場所は名古屋までほぼ直線です。その代わり山々を突っ切っていくためトンネル区間がかなりあります。静岡県を通る際もトンネルを造らなければなりません。人の住んでいない場所ですので静岡県を通っても駅はありません。トンネル工事だけして大井川の水が枯れてしまうなどしたら百害あって一利なしです。そのため反対しています。
静岡県側の言い分はもっともです。しかしJR東海としてはどうしてもリニアを通したいと願っています。現在、東海道新幹線は東京駅から名古屋駅を89分で結んでいます。しかしリニアが出来れば、品川―名古屋間を約40分で結ぶことができ大幅に時間を短縮することができます。中央特快(中央線)で東京―立川が約40分ですのでリニアがいかに速いかが分かりますね。そして将来的には大阪まで67分で通す予定です。
リニア新幹線を使うなら現行から55%の時間の削減になります。その代わり東海道新幹線の値段+6%が上乗せされるようです。これがJR東海の構想です。もし値段が上がったとしても+6%の料金ならば時間を惜しむビジネスマンは使うに違いありません。
JR東海はリニアに9.9兆円を投資しています。一企業が行なう投資額としてはものすごいですね。その代わり開通すれば人の往来が盛んになって、リニアによって21兆円の経済効果が生まれるだろうと予測しています。投資対効果が2.1倍なのでJR東海としてリニアを作りましょうということになりました。
1987年にリニアのプロジェクトチームが発足しました。構想から33年経っているわけですね。最初は2025年に開通させようと考えていたようですが、延期によって2027年になりました。そして今回の延期で2027年以降になりました。明確な開通時期が決められない状態になっています。
静岡県知事は「トンネル工事によって大井川の水量が減る可能性があるから通さない」と言っています。しかし本音の部分では2017年の知事の記者会見で「リニアは静岡県と県民にメリットがないから勝手にトンネルは掘らないで!」と述べています。まあ静岡県にはトンネルしか通らないとなるとメリットが無さそうですね。また、リニアが開通したとしても東海道新幹線からリニアに人が流れてしまう恐れがあり、ますます静岡に人が来なくなると懸念しています。
このJR東海vs静岡県知事、今後どのように進展していくのでしょうか?個人的な意見としては早く開通してもらいたいのですが…。静岡県民はこの問題をどう見ているのでしょうか?