鉄道関連の大きなニュースとしてJR東日本は2021年春のダイヤ改正で、都心から郊外に向けた終電時刻の繰上げなどの概要を発表しました。17線区の終電時刻が繰上げになると発表していて、現在の終電時間から最大で37分程度繰り上がるとのことでした。大規模な終電の繰り上げは1987年のJR発足以来初めてのことです。コロナの影響は交通にも大きな影響を与えていることが分かります。
※灰色の部分は変更なし。色付きの線は変更あり。
JR東日本のHPのプレスリリースを見ると終電時刻を繰り上げる理由が載せられていました。下記はプレスリリースの抜粋です。
JR東日本では、保守作業時間を拡大するため、2021年春に終電時刻の繰り上げなどダイヤの見直しを行います。これにより、鉄道工事における働き方改革を実現や鉄道設備の設置・保守のスピードアップによるサービス向上を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としたお客さまの行動様式の変化に対応してまいります。
コロナの影響だけでなく、保守の時間の確保のためとも書かれていますね。確かに終電から始発までの短い時間内で保守点検を行うにはとても大変なことですので、30分時間が増えるだけでも負担は軽減されるでしょう。
コロナが始まる前は、日本も欧米並みに夜中でも大人が遊べる社会にしようということでニューヨークの地下鉄のように24時間運転するのはどうか、という意見も出ていました。日本が国際観光都市になるために、またオリンピックも控えていることからこういった意見が出ていたのです。ところがコロナの影響があって、JR東日本が終電を早める決定を下しました。
確かにコロナの影響は大きいでしょう。コロナ前に比べて乗客がかなり減りましたので売り上げも減ってしまいました。2643憶円の赤字であることが2020.10.28に発表されています。それゆえ遅くまで電車を走らせればそれだけ、人件費や電気代などもかかってしまいますので少しでも出ていくお金を減らしたいのは理解できます。
また、現在の日本の人口も年々減り続けて行って、これからもっと高齢化が進んでいきます。相対的に若年層は減っていますよね。夜中まで飲んで終電に乗るのは若年層が多いでしょう。なぜなら年配の方は夜遅くまで起きていたり、徹夜をするのはきついからです。要は「夜は遊んでいないで寝た方がいいよね」という人たちが増えていくということです。そう考えると、終電が早まっているのは時代の流れとも言えるかもしれません。