大統領選挙においてよく耳にしたであろう「ラストベルト」。ここを取るかどうかで勝敗の行方を左右する、など専門家は言っていました。場所的に言えばウィスコンシン州やオハイオ州やペンシルバニア州で、アメリカ北部にある五大湖周辺の州です。でも何がラストなのでしょうか。他にも〇〇ベルトが存在するのでしょうか。今日はその点を書きたいと思います。
・ラストベルト(Rust Belt)
文字を見ないと、ラストは「最後」と勘違いしてしまうでしょう。しかしローマ字の綴りをみると分かるようにLustではなくRustです。意味は「錆」です。ラストベルトは「錆びた地帯」を指しているのです。というのもこの地帯は製造業と重工業の栄えた場所でした。しかし時代と共にその役割を他国が担うようになり、街からは労働者が減ることで街も衰退していき、ラストベルトという名前を付けられてしまいました。
・ライスベルト(Rice Belt)
アメリカではあまり米が収穫できるイメージがあまりないのですが、アメリカ国内の米収穫高の大部分を占める南部4州(アーカンソー州、テキサス州、ミシシッピ州、ルイジアナ州)を指しています。カリフォルニア州もたくさん収穫できる場所ですが収穫地域が離れているのでライスベルトには入っていません。実は日本はアメリカから多くの米を輸入している国の一つなんです。意外ですよね。
写真はwikipediaから参照
・コーンベルト(Corn Belt)
アメリカ合衆国中西部でトウモロコシが主要作物として生産されている地域を指します。トウモロコシというと食用のイメージがありますが、食用の割合はかなり低く、半分が飼料用、残りを工業用とバイオエタノールが占めています。
写真はwikipediaから参照
・サンベルト(Sun Belt)
サンベルトとは、北緯37度以南のアメリカ合衆国南部の地域を指します。温暖な気候ゆえ寒い地位からの流入や中南米からの移民で人口が増えている地帯でもあります。
写真はwikipediaから参照
・バイブルベルト(Bible Belt)
アメリカ合衆国の中西部から南東部にかけて複数の州にまたがって広がる地域で、プロテスタント、キリスト教根本主義、南部バプテスト連盟、福音派などが熱心に信仰され地域文化の一部となっている地帯のことです。信仰心のある方が多いので保守的な考えが根付いた地域でもあります。
写真はwikipediaから参照(赤い部分の州がバイブルベルトに該当)
アメリカには、〇〇ベルトがたくさんありました。その他にも黒人が多いブラックベルトや、宗教への関心が低いアーチャードベルトなどもあります。アメリカは国土が広いのでそれぞれが独自の特性を持っているんですね。やっぱりアメリカは面白い国です。