貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

何で首都圏の電車ってあんなに雪に弱いの?

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雪国にお住まいの方は信じられないかもしれませんが、首都圏の鉄道はとても雪に弱く、ある程度積もるようなら、ダイヤの乱れや運休になってしまいます。なんで雪国では電車を運行出来て首都圏では難しいのでしょうか。今回はその点を考えてみたいと思います。

 

車のタイヤはゴムでできており道路はアスファルトです。かなりの摩擦力がありますね。一方鉄道の車輪は鉄でできておりレールも鉄です。車輪とレールにはあまり摩擦力がありません。しかし、車のような急加速や急ブレーキが出来ませんが惰性でかなりの距離を走れるという特徴があります。しかし雪がレールにたまってしまうとどうでしょうか。摩擦力がもっと下がってしまいます。加速が大変になるだけでなく、ブレーキの効きが悪くなってしまうのです。

 

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田舎のローカル線であれば1時間に1,2本ですが、首都圏は約3分に1本走っています。もしブレーキが効かなくなれば前の電車に追突してしまう恐れもあり、追突してしまったら大惨事につながります。例としては2014年2月の大雪で、東急東横線の列車が滑って止まり切れずに、元住吉駅に停まっていた列車に追突してしまいました。

 

また、ローカル線は1時間に1,2本で運行しているのであれば、その間にラッセル車を走らせるなどして除雪することができますが、首都圏ではそんな余裕はありません。

 

その他、ポイント(分岐器)が凍ってしまうとレールの切り替えが出来なくなり運行が出来なくなります。雪国であればスプリンクラーのお湯で溶かすことができますが、首都圏にその設備を導入するとなると大変な費用がかかってしまいます。なんせポイントの量がたくさんありますので。

 

そしてラッシュ時だと1編成に3千人くらい乗っています。それらの人を運転士と車掌で安全に誘導するのはとても難しいことです。ほとんどが雪に慣れていない乗客だからです。そして駅では時間とともに人が溢れかえっていきます。

 

このような問題がありますので、間引き運転(間引き運転とは一部の列車を計画的に運休させる)を行うなどして対処しているのです。しかし普段のラッシュ時でも人の数は多いのに、間引き運転をしたら車内はギュウギュウ詰めです。場合によっては乗ることができないかもしれませんね。事前にドカ雪が降ることが分かっていれば、台風時のように計画運休をしてしまうのも混乱を回避する手かもしれませんね。その場合、会社や学校もリモート、もしくはお休みということで!

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