皆さんは「インフレ」という言葉をご存知でしょうか。インフレとは物の値段が上がり続ける状態のことです。簡単に言えば、昨日は100円でリンゴを買えていたのに、今日は110円になっていた。これは物価(物やサービスの価格)が上がっているのでインフレになります。しかし100円のリンゴが90円になっていたら物価が下がっているのでデフレになります。
日本はここ数十年デフレ状態です。消費者側からすれば、物の値段が安くなるのは嬉しいことです。お得に感じるので「安いから買おう!」と思いますね。しかし良いことばかりではありません。販売側はリンゴ1個100円で売りたいのに90円にしなければお客さんが買ってくれなくなってしまうのです。販売側の儲けが少なくなります。そうなると従業員の給料が下がり、株などの配当が減少します。結果、従業員の給料が少ないので、「安いものを買おう」と考えてしまうのです。企業は「なら値下げしよう」となります。この循環をデフレスパイラルと言います。お金が市場にあまり回っていかないので景気が良くないのです。
反対にアメリカはインフレ状態です。2021年11月の物価指数を見ると、全体としては6.8%上昇していますが、特にガソリン価格が58.1%上昇し、中古車価格も31.4%上昇しています。消費者側から見れば「値段高すぎるなぁ」と感じてしまうでしょう。ちょっとインフレが加速しすぎなのでアメリカの中央銀行(FRB)は市場に流れるお金の量を減らそうとしているのです。
コロナが一段落して経済が急に周り始めました。それによってアメリカでは人手不足が生じ、従業員を確保するために人件費が上昇し、それによって物の値段に人件費や燃料費などが上乗せされて商品価格が高くなっていきました。しかし物の値段が高くなってもみんなが買ってくれるので、言い換えれば景気が良いということになります。
アメリカに行くと分かりますが、日本に比べてレストランの値段がべらぼうに高く感じます。コロナ後はコロナ前に比べてさらに高くなりました。朝食でサンドウィッチを買おうとすると消費税やチップを加えた合計額が10ドル以上(日本円で1100円以上)になるのもざらです。日本でなら朝食に1100円は出せませんね。ではなぜ商品の値段を上げてもみんな買ってくれるのかというと、従業員の貰える給料が高いので、商品が高くても買えるのです。
日本もインフレ2%を目標にしていますが、全然達成できていません。各国は物価が上がっていますが日本は置いてけぼり状態です。そんな中、2年前に消費税が上がり、そしてコロナで経済が落ち込みました。給料は安いのに、原油高や輸入品の価格の上昇で、物の値段は高くなっています。アメリカとは違い悪いインフレになりつつあります。最悪ですね…