貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

「舟」とか「船」とか「舶」とか… これらの「ふね」って何が違うの?

皆さんは「ふね」と聞いた時、どの漢字の「ふね」を思い浮かべますか。いろいろな漢字を思い浮かべることができます。今回は「ふね」の漢字の由来を見ていきたいと思います。この違いが分かると、船を見た時に「あの船は○○という漢字が当てはまるんだよ!」とみんなに自慢ができますね…

 

「舟」→丸太をくりぬいた丸木ぶねの形がそのまま文字になったようです。大きさで分けられるようですが、この舟で表すものは、ごく小さな舟で人の力で動かすものを指しています。手漕ぎボートなどですね。よく湖などで見かけることができます。

 

「艇」→この漢字はあまりなじみの無いかもしれません。これは比較的小型の船のことを指します。短艇(カッター)、艦艇などとつかわれます。短艇(カッター)とは大型の手漕ぎボートをイメージすれば分かりやすいかもしれません。小型帆船も該当します。艦艇という言葉にも「艇」が使われています。哨戒艇などにもこの漢字が使われていますので、大きさにはかなりの幅があることが分かります。

 

「船」→この漢字は、小型から大型のものまでもっとも広くつかわれていますので、皆さんも一番使用する漢字ではないでしょうか。

 

「舶」→大型の船を指しています。大型フェリーやクルーズ船などをイメージすることができるでしょう。

 

「艦」→大型の船を指しますが、この艦という字は装甲船を意味しますので、私たちが乗るような船ではなく巡洋艦、揚陸艦、戦艦など軍隊が持っている船が該当します。

 

船が停泊する場所を港といいますね。港ということばは、古い時代には津、湊、泊などと、場所や役割によって呼び名が違っていたようです。どんな違いがあるのでしょうか。

 

「津」→この漢字は、水をあらわす「サンズイ」と、進むという気持ちをあらわす「聿」をあわせたもので、川の渡し場の意味でつかわれ、中国から伝わりました。

 

「湊」→この漢字は、幾つかの水路が集まってくる場所をあらわします。

 

「泊」→この漢字は、水の浅いことをあらわし、船が岸につきやすいという意味があります。

 

「港」→この漢字は、「サンズイ」と町なかの道をあらわす「巷」をあわせたものです。水上の通路、のちに水路のある町、港をあらわすようになりました。

 

船や港を表わす漢字がこんなにもあったとは思いませんでした。言われてみれば船の役割や大きさは全然違いますし、港と言っても地形など異なりますので、使われる漢字が違うのも頷けます。奥が深いですね。

 

(公財)日本海事広報協会「海と船なるほど豆辞典」から引用

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