オリンピックや世界陸上、市民マラソンなど人気の競技の一つにフルマラソンがあります。2時間以上かけてハイスピードで走っていますので、かなり疲れると思いますし、42.195km走り切ること自体凄いことに思えます。そんなフルマラソンですが、「本当に42.195km測っているの?」と、いつも疑問に感じていました。実際にどうなのでしょうか。
フルマラソンが42.195kmになったのは1924年のパリオリンピック以降になります。ですから100年近くこの距離を採用しています。今でこそGPSで距離を測ることができますが、昔は物差しなどを用いて地道に測っていました。1964年の東京オリンピックの時には、竹尺によって1か月かけて42.195kmを測ったそうです。気の遠くなるような作業ですね…
フルマラソンは道路を走りますが、道路のどこを計測しているのでしょうか。それは路肩から30cmの場所を基本的に測っています。テレビで見ていてもそのあたりを走っている人は多いですね。
GPSがあれば距離をある程度正確に測ることができますが、やはり多少の誤差が出てしまいますので、それを防ぐために自転車によって42.195kmを計測しているようです。
コース計測員という専用のライセンスを持った人が自転車に乗り計測します。3人で計測し、結果を照らし合わせて距離を確認しています。念には念を入れているわけですね。
でも、走る場所によってすべてが42.195kmピッタリというわけにはいきません。なので条件が付されています。コースの長さは42.195kmより短くしてはならず、42m以内(42.195kmの1000分の1以下)に抑えなければ公認コースとして認められません。
この計測に失敗したレースがあります。それが2015年に行なわれた横浜マラソンです。コースの一部が首都高だったため事前の計測ができず、地図のみで測ったのですが、大会当日に自転車で測ってみたら186.2m短いことが分かり、公認コースとして認められませんでした。やはり地図だけではきちんと計測できないんですね。
今回は、フルマラソンの42.195kmの距離はどうやって測っているのか、というのを考えました。まさかライセンスを持った人が自転車で計測していたとは驚きです。私たちの目に見えない人たちの働きあってのフルマラソンなんですね。