千葉県と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。東京の腰巾着、千葉なのに東京ディズニーランド、東京から遠い成田空港など、いろいろ揶揄されています。その半面、比較的温暖で観光地も多く、東京へのアクセスが良いというメリットもあります。実はこの千葉県というのは地理的に面白い県なのです。今回は千葉県にスポットを当ててみたいと思います。
日本は山が多い国です。山脈もたくさんあり、日高山脈、奥羽山脈、関東山地、赤石山脈、木曽山脈、飛騨山脈、紀伊山地、伊吹山地、中国山地、四国山地、筑紫山地、九州山地、などなど多くの山脈や山地がそびえています。だだっ広い関東平野ですら、周囲は高い山に囲まれています。
しかし千葉県だけは別です。千葉県には海抜500mを越す山が無い唯一の都道府県です。「え、沖縄県じゃないの?」と感じるかもしれませんが、沖縄県には503mの与那覇岳があります。千葉県の平均海抜は46mで沖縄県に次ぐ低さとなっています。沖縄は島で成り立っていますので平均として低いのは理解できます。
都道府県の多くの県境は山であることが多いですが、千葉県は江戸川や利根川を境に東京都、埼玉県、茨城県と接しています。なので千葉県は99.9%以上本州とつながっていないため「ほぼ島」とも言われています。珍しいですね。
じゃあ、千葉県は平坦なのかと言われるとそうでもありません。確かに東京に近いほうは平坦ですが、房総半島に入ると小高い山や丘が続いています。羽田空港を利用された方は分かるかもしれませんが、冬場の着陸は房総半島側からのアプローチが多く、下を見ると標高の低い山が地面を覆っているのがよく分かります。
また、房総半島を走る内房線も館山の方に近づくとトンネルが多く、山がちになっているのがよく分かります。また、房総半島の中間あたりを走っている小湊鐵道やいすみ鉄道でも山を避けて通っているのでガーブが多く、ゆっくり走っています。とっても味があっていいんですけどね。
東京の腰巾着と言われ、神奈川からは見下され、埼玉とのライバル関係にある千葉県。南関東ではパッとしないイメージがありますが、都道府県人口は全国第6位の620万人、県の財政力指数は全国第5位となっています。農業、工業、漁業、商業どれもバランスの取れた産業構造を持ち、日本三大貿易港の千葉港も有しています。2015年度の県内総生産は20兆2186億円で、世界の過半数の国の国内総生産(GDP)より大きな規模となっているのです。千葉県はヤンキーが多いイメージがありましたが、侮れないですね。