世界で１番高い山ときいたら、ほとんどの人はエベレストと答えるでしょう。山頂の標高は8,848ｍで、地球上でもっとも高い山です。では残りの3つの候補はどんな理由で世界一高い山と言えるのでしょうか。今回はその点を考えます。
- エベレスト 8,848ｍ
エベレストはチベット高原にある山で、ネパールと中国にまたがっています。富士山のように独立峰ではなく、ヒマラヤ山脈の中の一つです。海から測ると8,848ｍですが、チベット高原自体が標高の高い場所にあるので、山の麓から測るとエベレストは5,200ｍの山になります。
- キリマンジャロ 5,895ｍ
アフリカ大陸の最高峰の山で、山脈に属さない独立峰としては世界一高い山です。タンザニアとケニアにまたがっています。「なんだ、エベレストに比べたら全然低いじゃん」と感じるかもしれませんが、山の麓から測定すると5,600ｍになりエベレストを上回ります。富士山もきれいですがキリマンジャロも雄大で素晴らしいです。
- マウナ・ケア 4,205ｍ
ハワイにある最高峰マウナ・ケアはエベレストの麓の標高よりも低いです。ではなぜこの山が世界一高い山になるのでしょうか。それは、基底部が海深くにあるからです。なんだか難しいですが、要は山の付け根が深海にあるということです。そこを起点として測るとマウナ・ケアは10,203ｍもの高さを誇る山になります。しかし海面から出ている分だけを測るので4,205ｍの山になっているのです。半分以上は海の中なんですね。
- チンボラソ 6,267ｍ
初めて聞く方も多いかもしれません。この山は南米エクアドルにある山で、同じアンデス山脈にあるアコンカグア（アルゼンチン）よりも小さい山です。しかしこのチンボラソは赤道直下にある山です。これがポイントです。地球は真ん丸ではなく楕円形です。ラグビーボールをイメージするなら分かりやすいでしょう。赤道付近は地球の中心地から一番離れています。地球の中心地から測ると、チンボラソの高さは6,384,400ｍです。エベレストの6,382,300ｍよりも2,100ｍ高くなり世界一となるのです。
今回は世界で一番高い山について考えました。一番標高が高いエベレスト。山の麓から測ったキリマンジャロ。海の中にある基底部から測ったマウナ・ケア。地球の中心部から測ったチンボラソ。皆さんはどの山が1番だと思いますか。
