広島焼きをご存知でしょうか。簡単に言えば広島版お好み焼きです。大阪で食べられているお好み焼きとは違い、薄く伸ばした小麦粉の生地の上に、野菜や肉、トッピングで中華麺を入れて、重ねてひっくり返して蒸し焼きにするのが特徴となっています。大阪のお好み焼きの生地と具材を混ぜて焼く作り方とは少し違いますね。では、広島の人に広島焼きと言うと怒るのはなぜでしょうか。
広島の人からみると、広島焼きと言うのはお好み焼きのことで、これが本流と見ています。ですから、大阪のお好み焼きは亜種として見る節があります。つまり大阪版お好み焼きは広島の人から見ると本流ではないのです。オリジナリティーへのプライドからお好み焼きと言えば広島、と見ているのです。広島の方は郷土愛が強いですからね。
なので広島の人に「これって広島焼きだよね」と言うと、「広島焼きじゃなくて、お好み焼きだよ」と言われてしまいます。しかし、広島の人も広島焼きが大阪のお好み焼きよりも認知度が低いのを知っています。なので他の地域で「広島風お好み焼き」とメニューに書かれていてもしょうがないと思っています。
あと、広島の方が広島焼きの名前を使ってほしくない理由として、広島焼き=広島を焼く=原爆の被害をイメージさせることから嫌がる人もいます。
でも一つ言えるのは、広島のお好み焼きも大阪のお好み焼きもどっちも美味しいということです。
いったん広島と大阪の対立は横に置くとして、似ている食べ物に「モダン焼」というものがあります。モダン焼も焼きそばが入っています。お好み焼きとどう違うのでしょうか。
モダン焼は、生地の中にキャベツを入れて焼き、そこにあらかじめ焼いておいた麺を生地の上に乗せて焼きつけて作ったものです。一方、広島風お好み焼きは生地、麺、具材の三層にはっきり分かれています。なので、モダン焼は大阪風お好み焼きに広島風お好み焼きの特徴でもある焼きそばをくっつけたものなのです。使う食材は同じなのですが、作り方が違うため別料理になっています。モダン焼は炭水化物(焼きそば)の上に炭水化物(生地)が乗っかっていますので、かなりのボリュームがありますね。