貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

家畜になる動物ってなんで昔から同じ動物なの? ライオンとかキリンとか無理なの?

皆さんは家畜と聞いてどんな動物を思い浮かべますか。牛、ニワトリ、豚などが真っ先に思い浮かぶでしょう。長い人類史の中でもこれらの動物は昔から人々に飼われてきました。ブタは家畜として飼われているのに、イノシシを家畜として飼っているという話は聞きません。なぜでしょうか。

 

実は幾つかの条件をクリアしないと人間が家畜として飼うことは難しいのです。アメリカの著名な生物学者のジャレド・メイスン・ダイアモンド氏は家畜化可能な6つの条件を示しています。

 

①エサの量と種類

牛、豚、ニワトリ、馬、ヤギ、ヒツジなど家畜になっているのは肉食動物ではありません。穀物類や草を食べます。なので安価ですね。対して、エサが高価で、しかも与えづらいライオンやチーターなどの肉食動物や、草食でもコアラなど偏食過ぎる動物は家畜として適しません。トウモロコシや大豆や米など安価な穀物をいつでもむしゃむしゃ食べてくれる動物が家畜として選ばれます。

 

②成長の速さ

草食の動物だったとしても、ゾウのように成獣になるのに20年かかっていては、採算が取れません。対して、食肉用の牛の場合は生後3年もしたら屠殺されます。ブロイラー(食肉用ニワトリ)であれば50日で成鶏の大きさになります。

 

③飼育下での繁殖能力の高さ

どんな状況であろうと交尾ができる動物でないと増えていけません。特定の環境や縄張りが必要な動物では繁殖して増やすことが難しいのです。例えば、パンダは繁殖が難しい動物なので日本で何年も飼っていても増えません。それだと家畜としての利用は出来ないのです。

 

④穏やかさ

ウマが家畜化できるのに、シマウマが家畜にならないのはなぜでしょうか。シマウマは気性が荒く攻撃的で、捕獲されることをとても嫌がります。なので家畜としては難しいのです。人間が制御できない動物は飼えないですね。

 

⑤パニックを起こさない

神経質な動物は家畜としては難しいでしょう。同じ建物にたくさん暮らすのです。その中の1匹が何かにビックリしたとします。パニックを起こし、いきなり走り回ったり、大ジャンプをしたり、奇声を上げたりしたら、ほかの動物も大パニックでショック死します。なので無神経ぐらいが家畜にするには良いのです。

 

⑥序列性のある集団形成が可能

群れの中で序列を認識できれば、序列が上の人間には服従し、滅多にいざこざは起こしません。そのため人間も家畜動物を御しやすくなります。

 

このように6つの条件を考えました。この条件に当てはまる種はたったの14種しかありません。普段食べているウシやブタやニワトリは選ばれしものだったんですね。改めて感謝です。

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