日本は島国ですので、周りを海に囲まれています。そのため日本各地で漁船が活躍しています。しかし漁師やそれに関係する仕事をしていなければ漁船について知ることはあまりありません。今回は、漁船にはどんな種類のものがあるのか見てみたいと思います。
漁船と聞くと魚を獲るというイメージがあると思いますが、それだけではありません。大きく4つに分けることができます。
①漁猟船 これは多くの人がイメージしている漁船で、魚を獲るための船のことです。
②工船 魚を獲るだけではなく、獲った魚を保蔵し、加工する船のことです。
③運搬漁船 獲った魚や加工製品を漁場から港まで運搬する船のことです。
④その他 漁業に関する試験、調査、指導などをする船の事です。
私達が身近に感じるのは①の漁猟船です。しかし用途に応じて様々なタイプが存在します。大きく分けて「釣り漁船」と「網漁船」があります。釣り漁船の代表的なものは、イカ釣り漁船やカツオ釣り漁船などがあります。
網漁船は、いろいろな種類があります。
・延縄漁船 1本の幹縄に多数の枝縄を付け、その先に針を付けるもので、マグロ漁などで用いられます。
・流網漁船 網を固定せずに魚が自ら絡まることで獲る漁法です。サケやマスを獲る際に用いられます。
・トロール漁船 底引き網の網口を広げて、底にいる魚をかっさらって獲る船です。
・旋網漁船 魚群の周りに網を入れ、囲い込むようにして魚を獲る船です。
・刺網漁船 魚の通り道に網を仕掛け、引っかかった魚やエビなどを獲る漁船です。
他にも、船首から突棒を刺してカジキやマグロやイルカを獲る突棒漁船や、海藻を採取する採藻船、クジラを砲によって仕留めて運ぶ捕鯨船などがあります。用途によってさまざまなタイプの漁船が存在するんですね。
船の中で加工設備が整っている船を工船と呼びますが、蟹工船、クジラ工船、サケ・マス工船、ニシン工船などがあります。工船は長期間遠洋に出て漁を行うため、船の中で加工できるようにしてあります。
運搬漁船が運ぶのは、活魚をはじめ干物や塩漬けにした魚、冷凍魚や缶詰などです。
漁船と言っても、ただ魚を獲るだけでなく、加工したり、運搬したりと様々な用途のものが存在しています。奥が深いですね。