皆さんは、珍味という言葉を聞いたことがありますか?珍味とは、読んで字の如く、「珍しい味」をもつ食品の事で、普段の食生活ではなかなか口にしないような高級で貴重な食材のことを指します。しかし、それが具体的に何を指すのか、どういった基準で珍味と呼ばれるのかご存知でしょうか?
全国珍味商工業協同組合連合会(全珍連)では、珍味の定義について、『珍味とは主として水産物を原料とし、特殊加工により独特の風味を活かし、貯蔵性を与え、再加工を要することなく食用に供される食品で(陸産物に類似の加工を施したものを含む)で、一般の嗜好に適合する文化生活の必需品である』としています。
珍味の定義は、時代や地域によって異なる場合があります。例えば、日本3大珍味は、ウニ(塩うに)、カラスミ(ボラの卵巣の塩漬け)、このわた(なまこの腸の塩辛)を指します。これらは、高価で入手困難なため、一般的には特別な場面でしか食べませんね。
他の国や地域においても、珍味として挙げられる食材は多数存在します。たとえば、世界3大珍味にはキャビアやトリュフ、フォアグラが挙げられます。お隣の中国では、ナマコ、フカヒレ、アワビが珍味として知られています。
珍味という言葉が使われる食材には、以下のような共通点があります。まず、高級であり、入手困難であることが挙げられます。また、味や香りが特別で、一般的な食材とは異なる魅力があることが求められます。
しかし、珍味は一方で、その高価で入手困難なことが、過剰な需要を生み出すこともあります。たとえば、フカヒレやトリュフなどの需要が高まるにつれて、それらの食材を入手するために違法行為が行われることもあります。
また、珍味は健康に悪影響を及ぼすこともあるため、過剰な摂取は注意が必要です。たとえば、フォアグラは、過剰な摂取によって肝臓の機能障害を引き起こすことがあるとされています。
時には珍味がゲテモノ料理に分類されてしまうこともあります。例えば、中部地方の山間部で食べられているイナゴの佃煮、はちのこ、ざざ虫、セミの幼虫、蚕のさなぎ、などの昆虫食も大きなくくりで言えば珍味に含まれます。しかし人によっては珍味ではなくゲテモノ扱いしているでしょう。
以上のように、珍味という言葉は、高級で貴重な食材を指す言葉である一方、その定義や評価基準は時代や地域、また人によって異なるようです。