昨今の夏は暑くてたまらん、と感じている方は少なくないでしょう。温帯ではなく、亜熱帯になっているんじゃないか、と感じている方もおられるでしょう。今回は、本当に日本は亜熱帯に近づいているのか、というテーマで考えたいと思います。
そもそも亜熱帯とは、熱帯のすぐ北や南に位置する気候帯で、夏はとても暑く、冬は比較的暖かいのが特徴です。沖縄は亜熱帯に該当します。日本の気候は、もともと温帯に属していましたが、近年の気候変動により、特に南部では亜熱帯的な気候が増えてきています。例えば、九州や四国などでも、夏の気温が上昇し、亜熱帯に近い気候になることが多くなっています。気象庁のデータによると、平均気温は過去100年で約1.2℃上昇しており、特に夏の暑さが強まっています。
では、日本は亜熱帯になったのかというと一概にもそうとは言えません。亜熱帯と温帯の違いは、主に気温と降水量の特徴によって分かれています。
①気温の違い
亜熱帯は熱帯に近く、夏は非常に暑く、冬は温暖です。年間を通して平均気温が高く、特に冬はあまり寒くなりません。具体的には、冬でも平均気温が10℃を下回らないことが多いです。温帯は四季がはっきりしていて、冬には気温がかなり低くなることがあります。夏は暑いですが、冬は寒くなり、雪が降る地域もあります。平均気温は亜熱帯に比べて低く、冬の気温が10℃を下回ることが多いです。
②降水量の違い
亜熱帯は、年間を通じて降水量が多い傾向があります。特に夏に集中豪雨や台風が発生しやすく、湿度も高くなります。湿潤な気候が続くため、植物が一年中成長するのが特徴です。温帯も降水量はありますが、亜熱帯ほど多くはなく、四季によって雨の量が変わります。春や秋には比較的穏やかな天候が続きますが、冬は乾燥する地域も多いです。
③植物の違い
亜熱帯では、バナナやマンゴー、パパイヤなどの熱帯・亜熱帯植物が育ちます。また、亜熱帯の常緑広葉樹もよく見られます。温帯では、サクラやカエデなど、四季の変化に対応した落葉樹が多く見られます。温帯の植物は冬に落葉して寒さに備えるのが特徴です。
④動物の違い
亜熱帯には、暖かい気候を好む生物が多く生息しています。例えば、トカゲやカエルなどが多く見られます。温帯には、冬の寒さに耐えられる動物が多いです。鳥や小型哺乳類は、冬眠や移動で寒さを避けることがあります。
これらの違いにより、亜熱帯と温帯では生活環境や生態系が大きく異なります。まとめると、日本は亜熱帯ではないものの、亜熱帯に近づいている部分があり、その影響は生態系の変化や私たちの生活に広がっています。温暖化の影響は今後も続く可能性が高く、これにどう対応していくかが世界中の課題となっているのです。