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団塊の世代が左派色が強いのはなぜか?

「団塊の世代」と呼ばれる人たちは、戦後の1947年から1949年にかけて生まれた世代です。この時期は第二次世界大戦が終わった直後で、日本は大きな変革期にありました。彼らが左派色を持つ理由は、育った時代の背景やその後の社会環境に深く関係しています。この記事では、詳しい理由を見ていきます。

戦後の社会と教育の影響

戦後、日本は民主化と平和主義を目指して大きく方針転換しました。この時期に制定された日本国憲法は戦争放棄を掲げ、個人の自由や平等を強調しました。この新しい価値観は、学校教育にも反映されました。戦争体験を持つ教師たちや新しい教育方針により、戦争の悲惨さや平和の大切さが強調され、個人の権利や民主主義の考え方が広く教えられたのです。

 

また、戦争に対する反省から、左派的な思想や社会運動が広まりました。労働組合や学生運動が盛んで、若者がこれらの運動に関わることで社会の変革を目指しました。団塊の世代は、こうした雰囲気の中で青春時代を過ごし、自然と左派的な価値観に影響を受けたのです。1960年代から70年代初頭にかけて、安保闘争や大学紛争、成田空港建設反対運動など、かなり過激な学生運動が行われていました。

高度経済成長と社会の矛盾

団塊の世代が成長した1950年代から1970年代は、高度経済成長期でした。この時期、日本は経済的な成功を収めましたが、その一方で格差や環境問題、労働者の過酷な労働条件などが深刻化しました。こうした社会の矛盾を目の当たりにした団塊の世代は、弱者を守り、自由で平等な社会を目指す左派的な考えに共感する人が多かったのです。

 

また、当時の学生運動は、ベトナム戦争への反対や大学の改革を求めるものでした。特に、大学紛争などを通じて団塊の世代は政治に積極的に関わり、既存の体制に反発する姿勢を強めました。これも、左派色が強まる一因でした。

団塊ジュニアの右派傾向

一方で、団塊の世代の子どもたち、いわゆる「団塊ジュニア世代」は、親世代の価値観に反発する傾向があります。親が左派的な考えを持つ中で育った団塊ジュニア世代は、あえて違う価値観を求め、右派的な考え方に惹かれる人が多いと言われています。

 

また、団塊ジュニア世代が育った1990年代は、バブル経済の崩壊による不況やグローバル化の進展がありました。このため、彼らは国家や経済の安定を重視する傾向が強まりました。これが右派的な価値観に影響を与えたと言えます。

世代間の違いを理解する大切さ

団塊の世代が左派的な思想を持ちやすいのは、育った時代背景や経験が大きな要因です。一方で、団塊ジュニア世代が右派的な傾向を示すのも、親への反発や育った環境の違いが関係しています。このように、世代ごとの背景や価値観を理解することで、互いに対立するのではなく、違いを尊重することが大切です。

 

日本社会は、さまざまな世代が共存することで成り立っています。それぞれの世代がどのような経験を経て現在の考え方を持つようになったのかを知ることで、新たな視点を得られるかもしれません。

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