冬になると、日本海側は雪が多いのに、関東地方ではあまり雪が降らないことに気づいたことはありませんか?この現象は、日本の地理や気象の特徴が関係しています。それをわかりやすく説明します。
日本海側が雪に包まれる理由
冬になると、日本付近では北西の季節風が吹きます。この風はシベリア方面から吹き込み、とても冷たい空気を運んできます。この冷たい風が日本海の上を通ると、海面から水蒸気をたっぷり吸収します。この水蒸気が空気中で冷やされて雲を作り、その雲が日本海側の山々にぶつかると雪が降るのです。
たとえば、新潟県や富山県では「山雪型」と呼ばれる大量の降雪が見られます。この地域では、山が日本海から吹く風を遮る形になり、雪雲がとどまるため、長時間雪が降り続けることが多いのです。
関東で雪が降りにくい理由
一方、関東地方はどうでしょう?日本海側と違い、関東平野の外周に関東山地や越後山脈などの高い山々がそびえています。これらの山脈は、日本海から来る雪雲を遮る「壁」のような役割を果たします。そのため、雪雲は関東地方にたどり着く前にほとんどの雪を降らせてしまいます。
また、関東地方の冬の天気は「西高東低」と呼ばれる気圧配置が影響します。この気圧配置では、関東は晴れやすい天候が続きます。特に東京周辺では「冬晴れ」といわれるように、乾燥した晴れの日が多くなります。
特別な場合に雪が降る関東
とはいえ、関東でまったく雪が降らないわけではありません。たとえば南岸低気圧が通過する場合、関東でも雪が降ることがあります。この低気圧は日本の南岸を通り、関東に湿った空気を運びます。この湿った空気が寒い空気とぶつかると、雨ではなく雪になることがあるのです。
有名な例として、2014年2月に東京で記録的な大雪が降りました。このときは南岸低気圧の影響で広範囲に雪が積もり、交通機関にも大きな影響が出ました。
まとめ
日本海側と関東で雪の降り方が違う理由は、季節風、日本海、そして山脈の存在が関係しています。日本海側は湿った風が山にぶつかることで雪が降りやすく、関東地方では山脈が雪雲を遮るため、雪が降りにくいのです。