ちょっとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

戦国時代に「宣教師による医療」があったってほんと?

戦国時代、日本には多くの戦があり、武士たちは命がけで戦っていました。当然、戦場では深い傷を負うことも多く、命を落とす武将や兵士も少なくありませんでした。そんな時代に、日本人が驚くような最先端の医療技術を持ち込んだ人々がいました。それが、ヨーロッパからやってきたキリスト教の宣教師たちです。

ポルトガル人宣教師と西洋医学

16世紀、日本に初めて本格的なキリスト教を伝えたのはポルトガル人の宣教師でした。彼らは単に宗教を広めるだけでなく、西洋の技術や学問も日本に伝えました。その中でも特に衝撃的だったのが、西洋医学です。

当時の日本の医療は、中国から伝わった漢方が主流で、「気の流れを整える」ことを重視していました。薬草を使った治療や、鍼(はり)・灸(きゅう)といった方法が一般的で、外科手術はほとんど行われていませんでした。ところが、宣教師たちが伝えた西洋医学は、まったく違うものでした。

外科手術という革命

西洋医学の中でも、日本人にとって特に驚きだったのが「外科手術」です。戦場で大怪我を負った武士がいると、日本では傷口を焼いて止血することが多かったのですが、宣教師たちは傷口を縫い合わせる技術を持っていました。また、骨折した場合には、ギプスのような固定具を使って治療することもあったのです。

例えば、有名なポルトガル人宣教師であるルイス・デ・アルメイダは、日本で病院を開設し、多くの人々の治療を行いました。彼はもともとポルトガルで外科医の経験があり、その技術を日本にもたらしました。アルメイダが九州の大分で開いた病院では、西洋の外科手術が行われ、多くの日本人がその技術に驚いたといいます。

戦国武将も注目した西洋医学

このような革新的な医療は、戦国武将たちの間でも注目を集めました。特に、キリシタン大名と呼ばれる武将たちは、西洋医学の力を理解し、積極的に取り入れました。例えば、大友宗麟(おおともそうりん)という大名は、宣教師を保護し、アルメイダの病院の活動を支援しました。彼は自らもキリスト教に改宗し、西洋の文化や技術に強い関心を持っていたのです。

また、織田信長も西洋の医療に興味を示した一人です。信長は宣教師たちから鉄砲や戦術だけでなく、西洋の科学や医学にも関心を持ち、彼らを厚遇しました。実際に、信長の家臣や兵士の中には、西洋の治療を受けた者もいたのではないかと考えられています。

西洋医学のその後

宣教師たちが伝えた西洋医学は、江戸時代に入るとさらに発展していきました。鎖国政策が始まり、多くの外国人が日本に来られなくなりましたが、オランダを通じて医学の知識は細々と伝えられました。その結果、日本では「蘭学」として西洋医学が発展し、後の近代医学の基礎となりました。

今では当たり前のように行われている手術や治療ですが、そのルーツの一つが戦国時代の宣教師たちにあったと考えると、とても興味深いですね。もし、戦国時代に彼らが日本に来ていなかったら、日本の医学の発展はもっと遅れていたかもしれません。

戦場で傷ついた武士たちを救った西洋医学。それを伝えた宣教師たちの存在は、日本の歴史において、意外と大きな役割を果たしていたのです。

にほんブログ村 教育ブログ 社会科教育へ
にほんブログ村