私の高校時代の担任はよく「疑わしきは検挙する」と言っていました。普通「疑わしきは罰せず」だろ!と突っ込みたくなりますが、高校時代「検挙」という言葉の意味を知らなかったので、なにか怒られるのかな?としか感じていませんでした。
ニュースを見ると、「スピード違反の検挙件数」といった使い方をしています。検挙と逮捕は違うのでしょうか?今回はこの2つについて考えてみたいと思います。
「検挙」とは何でしょうか。検挙とは、捜査機関が犯罪の行為者を特定し、これを被疑者(犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっているが、起訴されていない者。容疑者)とすることをいいます。被疑者を逮捕した場合だけでなく、警察等が書類送検した場合なども含まれます。
何だかややこしいですが、検挙というのは犯罪の行為者を特定する全ての活動と言えます。ですから「逮捕」や「任意取り調べ」は「検挙」の中に含まれます。
続いて「逮捕」です。毎日のようにニュースで聞く言葉ですね。逮捕というのは、捜査機関などが被疑者の身柄を強制的に拘束することを言います。容疑者が逮捕された時の場面では、周りに警察官がいますよね。逮捕には3つの種類があります。「通常逮捕」「緊急逮捕」「現行犯逮捕」です。どう違うのでしょうか。
「通常逮捕」→通常逮捕とは、裁判官から事前に逮捕状の発付を受け、これに基づいて被疑者を逮捕することです。
よくサスペンスなどで、玄関ドアが開いたときに「殺人容疑の疑いで〇〇さんを逮捕します」と言って、逮捕状を見せる時があります。事前に裁判所から逮捕状をもらっているので、この場面は通常逮捕になります。
「緊急逮捕」→3年以上の懲役もしくは禁固にあたる重い罪を犯した疑いがあり、今すぐ逮捕しなければ逃亡や証拠隠滅の阻止がとても難しくなる場合に例外的に認められる逮捕です。重い犯罪に適用される逮捕になります。逮捕状は事後に必要になります。
「現行犯逮捕」→犯罪を行っているところ、ないしその直後に逮捕することです。罪を犯していることが明らかなので、冤罪の恐れはないゆえ裁判所から逮捕状をもらう必要はありません。警察官でなくても現行犯逮捕は可能です。ひったくりや痴漢をした人を取り押さえれば、一般市民であっても犯罪者を逮捕できます。
検挙と逮捕なんとなく理解できたでしょうか。逮捕の中にも3つの意味がありました。今度ニュースを見るときには注意してこれらの言葉を聞いてみてください。