貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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南極で生き延びた“タロ”と“ジロ” その後どうなった?

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南極で生き延びた犬として有名なタロとジロの2匹の犬。1958年に極寒の南極に置き去りにされましたが、のちに生き延びたとして一躍日本で有名になった犬です。

 

もう少し詳しく記すと、南極観測第一次越冬隊が南極にある昭和基地に、犬ぞり用の15頭の樺太犬(からふといぬ)を置き去りにしました。その中にいたのがタロとジロです。樺太犬といってもあまり聞きなれない犬ですが、中・大型犬で寒さにめっぽう強く、しかも従順で忍耐強い性格の犬だそうでが、現在純血の樺太犬は絶滅しています。

 

寒さに強い犬といっても氷点下40℃にもなる南極で生き延びるのは難しいので、だれしも生存は絶望視されていました。ところが翌年、基地の様子を見に行ったヘリコプターの乗員が2匹の樺太犬が生き残っているのを発見し、それがタロとジロの兄弟犬だったのです。基地には7頭の犬が首輪につながれたまま息絶えており、他の6頭は行方不明になっていました。そもそも、なぜ犬を置き去りにしなければならなかったのでしょうか。

 

本来であれば第二次越冬隊に任務を引き継げばよかったのですが、悪天候で交代要員であった第二次越冬隊を乗せた南極観測船「宗谷」が着岸できず、雪上飛行機で一次隊の人間だけを宗谷に回収するにいたったのです。氷が宗谷に迫っていたため、何度も飛行機を飛ばして大型の犬を運ぶ時間はありませんでした。二次隊が上陸できれば犬は助かったのですが、結果として越冬を断念したので犬たちを置き去りにする羽目になっていったのです。

 

極寒の中で生き延びたタロとジロの奇跡の生還は、日本中を沸かせます。当時、開業したばかりの東京タワーには15頭の「樺太犬記念像」が作られたり、「タロ―・ジロ―のカラフト犬」・「よかったよかったタロー ジロー」という歌が発売されたりもしました。また、「南極物語」という映画も作られました。

 

その後のタロとジロはどうなったのでしょか。2匹とも第三次越冬隊と共に南極で再び任務に就きました。しかしジロは心臓が弱っていたため生還の翌年に病死してしまいます。一方でタロはジロが死んだ翌年に日本に帰ってきます。14歳7か月生き、1970年に死にます。とても長生きですよね。

 

2匹とも有名な犬ですが、墓は建てられていません。なぜなら2匹とも剥製にされているからです。現在は北海道大学植物園でタロの剥製が、国立科学博物館でジロの剥製が展示されていて、南極観測犬としての偉業と功績を伝え続けているのです。

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