先日、佐久間製菓が2023年に廃業するということがニュースの中で伝えられていました。赤い缶の「サクマ式ドロップス」で有名です。創業から114年ということで多くの方に親しまれてきた飴で、イチゴやオレンジ、ハッカやチョコレートなどいろいろな味が楽しめました。ジブリ作品の「火垂るの墓」でも登場しており知名度もありました。
しかし、「緑色の缶のもあったよなー」と思って調べてみたら、こちらの商品名は「サクマドロップス」で会社名は「サクマ製菓」でした。つまり赤缶と緑缶を製造しているのは全くの別会社だったのです。でも会社名も商品名も似ていますよね。それもそのはずで、元々は佐久間惣治郎商店という店から戦後に派生したからです。それぞれが独立した経営を行なっていて、資本関係と人的関係はほとんどありません。
話は変わります。先日名古屋に行ったさい、ホテルの近くに「ノリタケの森」というのがありました。最初「どんな森やねん」と思いましたが、よくよく考えたら食器の「ノリタケ(Noritake)」が建てた施設でした。ノリタケは則武さんが作った会社かなと思ったら名古屋市中村区則武という地名にちなんだ会社名だったのも驚きです。
さて、このノリタケがどうしたのかというと、森村財閥を元とする森村グループの一員なのです。と言ってもピンと来ないかもしれませんが、森村グループには、森村商事、日本碍子（日本ガイシ）、TOTO、日本特殊陶業、共立マテリアル、大倉陶園があります。
ノリタケ、TOTO、日本ガイシ、日本特殊陶業は証券コードも5331、5332、5333、5334と連番となっています。なぜなら上場の時期が1949年5月と同じだからです。5300番台はガラス・土石製品業に割り振られていて、この4つの会社は同業種だったので連番が可能になったのです。
TOTOと言えば、便器などの衛生陶器で有名な会社です。実はTOTOから分かれた会社にINAXがあります。今ではTOTOのライバル会社ですが、INAXは2001年にトステムと経営統合してから森村グループを離れ、2011年には5社と合併し、社名がLIXILとなっています。
今回、佐久間製菓とサクマ製菓、森村グループについて考えました。ふと気になって調べたら元が同じ会社だったことが分かりました。どうでもいいことかもしれませんが、知ってみると面白いものですね。
