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埼玉県にある、めっちゃ小さい東京都ってどこ?

飛び地という言葉をご存知でしょうか。飛び地とは、一つの国の領土や行政区画が地理的に分離している部分を指します。世界中たくさんの飛び地が存在していますが、日本でも飛び地はあります。今回はその一つを見ていきたいと思います。

 

埼玉県新座市という場所をご存知でしょうか。埼玉県の南端部に位置しており、東京都練馬区に隣接している自治体です。その中に東京都があります。その飛び地の名前が練馬区西大泉町なのです。実は西大泉町はものすごく小さく、町の面積はなんと0.002km²しかありません。

 

0.002km²といっても大きさがよく分からないと思いますが、住宅地の一ブロックのみが東京都練馬区西大泉町になります。2021年時点での人口は33人しか住んでいません。飛び地が新座市にあるからといっても、練馬区からは100mしか離れていませんので東京都から遠いと感じることはないでしょう。

写真はWikipediaから参照 埼玉県新座市の中にある東京都練馬区西大泉町

しかし、なぜ埼玉県新座市の中にポツンと練馬区西大泉町があるのでしょうか。じつはその理由は分かっていないようです。一説には、大名だった米津氏の点在していた土地を小榑村(現在の練馬区の一部)に引き継ぎ忘れてしまったとか、1974年に田畑だった土地を不動産業者が開発しようとして新座市に行かなければならないところ、間違えて練馬区に申請したところ、そのまま通ってしまったからなど、幾つかの説はあるそうですが、詳細は不明となっています。

 

今でこそ住宅地になっていますが、もともとは山林だったため住宅が建つまで新座市も練馬区もこの飛び地について把握してはいませんでした。住宅が建った1974年になって初めて飛び地であることに気付いたようです。

 

どうせなら、埼玉県新座市に編入してしまえばいいじゃん!と思いますが、住民はそうは望んでいないようです。東京都という響きもさることながら、東京都と埼玉県では土地の値段(公示地価)が違いますので、住民は新座市への編入を反対しているのです。

 

新座市に囲まれているとはいえ、東京都練馬区ですので当然住民税は練馬区に納めており、ゴミの収集も練馬区が担当しており、学校の通学区域も練馬区になっています。他にも、車のナンバープレートも練馬、郵便も集配を大泉郵便局(練馬区)が担当、選挙区も東京都になります。しかし、上下水道は新座市が供給し、電気も東京電力の埼玉支店志木支社の管轄になっているようです。2つの自治体が関わっているので複雑そうですが、生活上の不便は無さそうですね。

 

今回は、埼玉県にあるものすごく小さな東京都の話でした。

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