テレビでパリオリンピックの柔道が映されていました。団体混合のフランスチームですが、すべて黒人選手で構成されていました。フランスは白人が多いのに、なぜフランスの柔道代表チームに黒人選手が多いのでしょうか。今回はその点を考えたいと思います。
植民地時代の影響
フランスはかつて広大な植民地帝国を持っており、特にアフリカやカリブ海の国々を支配していました。この歴史的な関係は現在も続いており、多くのフランス語圏のアフリカ諸国やカリブ海諸国の人々がフランスに移住し、その子孫がフランス国籍を持つことが多いです。このような歴史的背景により、黒人のフランス市民が多く存在します。ちなみにサッカーフランス元代表の英雄ジネディーヌ・ジダン選手も、アフリカのアルジェリアの移民の子です。
社会経済的背景
フランスの都市部には、移民やその子孫が多く住む地区が存在します。これらの地域では、スポーツが社会的な上昇の手段と見なされることが多く、特に柔道のようなアクセスが比較的容易なスポーツが人気です。国としても移民の子供にあらゆるスポーツを行なえる機会を与えているという背景も柔道に引き寄せるのかもしれません。スポーツは若者にとって、教育やキャリアの機会を提供する重要な手段でもあるんですね。
制度的支援
フランス政府はスポーツ振興に力を入れており、才能ある選手を発掘し育成するためのプログラムが充実しています。これにより、経済的に恵まれない家庭の子供たちも、才能を発揮するチャンスが得られます。特に柔道は、フランス国内で高い人気を誇り、優秀な選手が多く輩出されています。
文化的な受容とアイデンティティ
フランスではスポーツが文化的アイデンティティの一部となっており、国際的な舞台での成功が国民的な誇りにつながります。黒人選手たちはフランスの多様性を象徴する存在でもあり、彼らの成功は社会的な多様性の肯定と受容を示すものとも言えます。成功した黒人選手の影響で自分も柔道をやろうという黒人の方も多いのかもしれません。
これらの要因が相まって、フランスの柔道代表チームに黒人選手が多く選ばれる結果となっています。今回代表に選ばれた黒人選手は国内の代表選考で勝った結果選ばれていますので、実力で勝ち取ったものと言えます。それにしても黒人選手は足が長く、パワーもありますね。