貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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なんでベルギーには国際機関の本部が多いの?

写真はWikipediaから参照 欧州委員会

ベルギーと言えばワッフルやチョコレートのイメージがあるかもしれませんが、実はヨーロッパにおける国際機関がたくさん置かれている国でもあるんです。それで今回は、ベルギーの首都ブリュッセルにはなぜ国際機関の本部が多く置かれているのかについて調べてみました。

ブリュッセルは欧州連合(EU)の主要機関の多くがあります。欧州委員会、欧州連合理事会、欧州理事会、欧州議会です。そのため「EUの首都」とも呼ばれていますが、それだけではありません。NATO(北大西洋条約機構)やユーロコントロール(欧州航空航法安全機構)など、他の重要な国際機関もブリュッセルに本部を構えています。では、なぜブリュッセルが国際機関の本部に選ばれることが多いのでしょうか?その理由には、歴史的・地理的・政治的な要因があります。

 

まず、歴史的な要因としては、ベルギーは19世紀にネーデルラント連合王国から独立した国家で、オランダ語系とフランス語系の二つの文化圏に分かれています。EUの前身である欧州石炭鉄鋼共同体に参加していた国(ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)はラテン系の国とゲルマン系の国に分かれていましたが、ベルギーはどちらの国とも接点を持っていたので、いわば中立の国ということで選ばれました。

 

次に、地理的な要因としては、ベルギーは西ヨーロッパの中央部に位置し、交通の要衝であることが挙げられます。ブリュッセルから1000km以内には、フランス・ドイツ・イタリア・イギリスなどの西ヨーロッパ各国の首都があります。また、ブリュッセルは空港や鉄道網などのインフラが整備されており、他の都市とのアクセスが容易です。さらに、ブリュッセルは人口約120万人という比較的小さな都市でありながら、多様な文化やサービスが揃っており、国際機関の職員や外交官にとって住みやすい環境を提供しています。

 

最後に、政治的な要因としては、ベルギーは小国でありながら連邦制(2つ以上の国や州が1つの主権の下に結合して形成する国家形態)を採用しており、地域や言語ごとに自治権を持っています。これは、国際機関が求める多元主義や協調主義と一致しています。また、ベルギーはEUやNATOなどの国際機関に対して積極的で協力的な姿勢を示しており、本部を置くことに対する抵抗感が少ないです。

 

以上のように、歴史的・地理的・政治的な要因が組み合わさって、ブリュッセルが国際機関の本部に選ばれることが多いのです。ブリュッセルは小国ベルギーの一都市に過ぎませんが、ヨーロッパだけでなく世界に影響力を持つ都市として、今後も注目されるでしょう。

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