平和の祭典でもあるオリンピックが開催されている中で、中東がきな臭くなっています。とりわけイスラエルは2023年の秋からパレスチナのハマスと戦い、イスラエルの北にいるヒズボラ(レバノン)とも戦い、大国イランとも険悪な関係になっています。第五次中東戦争が起きるのでは、とも言われています。もし戦争が起きた場合、特にイスラエルとイランの間での戦争が始まったら、日本にもいくつかの重要な影響があると考えられます。
まず、原油やLNG(液化天然ガス)の供給が大きな問題になります。日本はエネルギー資源を多く海外から輸入していますが、とりわけ中東地域はその重要な供給地になっています。戦争が起きると、その供給が途絶える可能性があり、ホルムズ海峡が閉鎖されると、世界中の約20%の原油が通過するこの重要な海上交通路が使えなくなり、エネルギーの価格が急上昇する恐れがあります。他の地域のエネルギーを求めることになりますので、世界各国が取り合いになり、日本でもガソリンや電気代が上がることが予想されます。
原油価格の上昇すると、企業の生産コストが増加し、商品の価格が上がる可能性があります。これにより、人々の生活費が高くなり、経済全体に悪影響を与えることになります。さらに、戦争の影響で世界経済が不安定になると、日本の輸出産業にも影響が出ます。日本の製品やサービスの需要が減少することで、日本企業の収益にも影響を与えるでしょう。別の視点では、戦争によって難民が増加する可能性もあり、日本も人道支援の一環で戦争難民を受け入れなければいけなくなるでしょう。
アメリカやロシアの動向も重要です。アメリカは中東地域での軍事的な存在感が強く、もし戦争が始まったら、アメリカがどのように関与するかによって国際情勢が大きく変わるかもしれません。例えば、アメリカがイランに対して強い制裁をかけると、イランからの石油輸出がさらに制限される可能性があります。また、アメリカは自国で採れるシェールガスでエネルギーを賄うことができますので、リスクを冒して中東に関与しなくなるかもしれません。
一方で、ロシアも重要なプレイヤーです。ロシアはイランと比較的良好な関係を持っており、もし戦争が始まったら、ロシアがどのような立場を取るかが注目されます。ロシアはエネルギー資源を豊富に持っているため、もし中東からの供給が途絶えた場合、ロシアからの輸入に依存する国が増える可能性があります。ウクライナ侵略で西側諸国から制裁をかけられていますが、背に腹は代えられないのでロシアから輸入する国もでてくる可能性もあります。
このように、中東で戦争が起きると日本にとってもエネルギー供給の問題や国際関係の変動など、さまざまな影響が考えられます。遠い国の話ではありませんね。