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中国にとって南シナ海はどれほど重要なの?

たびたびニュースの中で南シナ海が登場します。とりわけ中国関連で報道されることが多いですよね。例えば、人工島を造成して軍事基地を造るなどです。では、中国にとって南シナ海がなぜ重要だと言えるのでしょうか?中国がこの地域に強い関心を持つのには、いくつかの重要な理由があります。

まず、南シナ海は「深い海」であることが大きな要因です。特に中国は原子力潜水艦(原潜)を保有しており、これを隠すためには深い海が必要です。中国近海の「黄海」の平均深度は50メートルほどですが、南シナ海の一部は水深が数千メートルにも達し、原潜が見つかりにくい環境になっています。中国はこの深海エリアを「隠れ家」として利用し、軍事的な優位性を高めたいと考えているのです。

次に、南シナ海は豊かな漁業資源の宝庫です。南シナ海の漁獲量は世界全体の1割以上とも言われています。東南アジア諸国の多くがこの海で漁業を行い、生計を立てています。特に中国は国内の人口が多いため、食料確保の観点からもこの漁場は非常に重要です。さらに、魚介類は貿易品としての価値も高く、経済的な利益をもたらします。

さらに、南シナ海の海底には豊富なエネルギー資源が眠っています。石油や天然ガスの埋蔵が確認されており、その量は世界のエネルギー供給に大きな影響を与えるほどです。中国はこれらの資源の確保を狙い、自国のエネルギー需要を満たしたいと考えています。

最後に、中国が外洋への進出を目指している点も重要です。中国の東側は日本や台湾、フィリピンなどの国々に囲まれ、外洋へのアクセスが限られています。しかし、南シナ海を経由すれば、インド洋や中東、アフリカへの航路が広がります。太平洋進出も可能となります。このため、中国は南シナ海を「海のシルクロード」として活用し、貿易や軍事の面での影響力を強化しようとしているのです。

これらの理由から、中国は南シナ海に人工島を築き、領有権を主張しています。しかし、フィリピンやベトナムなど周辺国との対立が激化しており、国際社会の注目が集まっています。南シナ海は、単なる海ではなく、国家の安全や経済に直結する重要なエリアなのです。

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