カリフォルニア州と言ったら何を思い浮かべますか。大谷翔平選手のいるロサンゼルス・ドジャースでしょうか。ハリウッドやディズニーランドリゾートもあります。大企業があるシリコンバレーもカリフォルニア州です。ぶどう酒の原料となるぶどうの栽培も盛んです。アメリカを代表する州で、美しい自然や温暖な気候で有名な場所ですが、最近、州から多くの人や企業が出て行っているという話を聞いたことがあるかもしれません。では、なぜこのような現象が起きているのでしょうか?
まず、カリフォルニア州では、税金が非常に高いことで知られています。特に所得税や法人税が他の州と比べて高く、これが一つの大きな要因となっています。例えば、個人の所得税率は最大で13.3%にもなり、これはアメリカの中で最も高い税率の一つです。また、企業にかかる法人税も高いため、ビジネスを運営する企業にとって大きな負担となります。
次に、カリフォルニア州の住宅費の高騰が問題になっています。サンフランシスコやロサンゼルスなどの主要都市では、家を購入するのが非常に難しく、とりわけコロナ禍以降は家賃も上昇しています。例えば、サンフランシスコでは、2023年の平均的な住宅価格が約150万ドル(約2億円)に達しています。このような高い住宅費は、家族や若者がカリフォルニアで生活することを難しくしています。
さらに、治安の問題も指摘されています。カリフォルニア州の一部の都市では、犯罪率が高くなっており、特に大都市では治安が悪化しているという報告が増えています。州法で950ドル以下の窃盗は軽犯罪というものがあるため、簡単に窃盗に走ってしまっています。そうでもしないと犯罪者が多すぎて刑務所に収容しきれなくなってしまうからです。このような環境では、安全に生活することが難しく、多くの人がより安全な場所を求めて他の州に移住しているようです。
加えて、カリフォルニア州は地震、山火事、干ばつなど、自然災害のリスクが高い地域でもあります。特に山火事は近年増加傾向にあり、多くの人々が住居を失い、他州に移ることを余儀なくされています。
これらの要因が組み合わさり、多くの人々や企業がカリフォルニア州から他の州に移り住む原因となっています。たとえば、テキサス州やフロリダ州は税金が低く、住宅費も比較的安いため、多くの人々がこれらの州に引っ越しています。ある調査によると、2020年から2022年にかけて、約50万人以上がカリフォルニア州から他の州に移住したというデータもあります。
カリフォルニア州は多くの魅力を持つ州ですが、税金の高さ、住宅費の高騰、治安の問題、自然災害が人々や企業を他の州へと向かわせている現実があるんですね。これからもこのトレンドが続くのかどうか、注目されるところです。