全世界の海を表わすものに「七つの海」という言葉があります。なんだかロマンあふれる言葉ですよね。ちなみに「七つの海に股をかける男」という言葉もあり、世界の様々な場所で活躍しているビッグな男を指す言葉です。そこで今回は、七つの海とはどこの海を指すのか見ていきたいと思います。
実は地域や時代によって七つの海がどこを指すかは違っています。現代は文字通り世界中の海を航海し、世界中の海を巡ることができます。しかし、風まかせの帆船で行き来していた中世のころでは行ける範囲が限られており、「全世界」の定義が異なります。当然七つの海も異なります。
【中世アラビア人】
彼らは、帆船で行けた範囲を七つの海に含めました。アラビア人は中東の人々と言うことでその周辺の海が彼らの活動範囲で、主に貿易商人たちが駆け巡っていました。南シナ海まで紅海していたのは驚きですね。
・大西洋
・地中海
・紅海
・ペルシャ湾
・アラビア湾
・ベンガル湾
・南シナ海
【中世ヨーロッパ人】
ヨーロッパの人々はアラビア人よりも範囲は狭いですが、カスピ海や黒海も七つの海に含めています。緯度が高い国だけあって活動する海も異なりますね。
・大西洋
・地中海
・黒海
・カスピ海
・紅海
・ペルシャ湾
・インド洋
【大航海時代】
15世紀半ばから17世紀半ばの大航海時代には行ける範囲がグッと広がりました。新しい大陸は「先に見つけたもの勝ち」状態でしたので、ポルトガルやスペインを中心にヨーロッパ全体に航海ブームが吹き荒れ、ヨーロッパから大西洋を隔てたカリブ海やメキシコ湾には多くの船が行き来していました。
・大西洋
・地中海
・カリブ海
・メキシコ湾
・大西洋
・インド洋
・北極海
【現代】
太平洋と大西洋が北と南で分かれていますが、それくらいどちらも広い面積を持っているのです。すべてに「洋 Ocean」が付いていて、これは大きな海を指します。
・北大西洋
・南大西洋
・北太平洋
・南太平洋
・インド洋
・北極海(北氷洋)
・南極海(南氷洋)
地域や時代によって、七つの海に違いがあるのは面白いですね。ちなみに大陸と大陸に囲まれた地中海は大西洋の付属海(ふぞくかい)で、島や半島で大洋と区切られている日本海やオホーツク海などは緑海(えんかい)と呼びます。陸地内の袋状に入り込んでいる水域は湾で、東京湾やメキシコ湾などがあります。