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リアス式海岸のメリット・デメリットとは?

海の風景にはさまざまな種類がありますが、その中でも特徴的なのが「リアス式海岸」です。日本では三陸海岸や志摩半島などが代表的ですが、世界にもスペインのガリシア地方やノルウェーのフィヨルドのようなリアス式海岸があります。この地形にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

リアス式海岸とは?

リアス式海岸とは、もともと陸地だった場所が沈降したり、海面が上昇したりしてできた「入り組んだ海岸」のことです。波による浸食でできたのではなく、谷だった部分に海が入り込んでできたものなので、細長い湾が連なるのが特徴です。

リアス式海岸のメリット

  1. 豊かな漁場 リアス式海岸は、湾が深く入り組んでいるため、波の影響が少なく栄養豊富な水が溜まりやすいです。これにより、魚や貝、海藻が育ちやすく、漁業が盛んになります。例えば、三陸海岸ではカキやホタテ、ワカメなどが有名です。

  2. 天然の良港 入り組んだ地形は波や風を防ぎ、船が停泊しやすい場所になります。世界的にも、リアス式海岸の地域では港が発達していることが多く、ノルウェーのベルゲンやスペインのビーゴは漁業や貿易の拠点になっています。

  3. 観光資源としての価値 断崖絶壁や静かな入り江の風景は、多くの人を惹きつけます。日本では三陸海岸や英虞湾(あごわん)が観光スポットとして知られ、遊覧船ツアーが人気です。海外では、ノルウェーのフィヨルドが世界遺産にも登録され、多くの観光客が訪れています。

リアス式海岸のデメリット

  1. 津波のリスクが高い これは最も深刻な問題です。リアス式海岸は入り組んだ地形のため、津波が湾の奥に入り込みやすく、被害が拡大しやすいのです。2011年の東日本大震災では、三陸海岸の町々が大きな被害を受けました。そのため、津波対策として防潮堤の建設や避難計画の整備が進められています。

  2. 平地が少ない 険しい地形が多く、広い土地が確保しにくいのもデメリットです。農業や都市開発がしづらく、道路の建設にもコストがかかります。たとえば、志摩半島では平地が少なく、住宅地や交通インフラの整備に工夫が求められています。

  3. 交通の不便さ 海岸線が複雑に入り組んでいるため、道路や鉄道を通すのが難しく、移動が不便になりがちです。三陸海岸でも、津波の影響もあり鉄道の整備が遅れることがありました。そのため、地域の人々の生活には車や船が欠かせません。

まとめ

リアス式海岸は美しい風景や豊かな漁業資源を持つ一方で、自然災害や交通の問題を抱えています。こうしたメリット・デメリットを理解し、うまく活用することが大切です。私たちがリアス式海岸を訪れた際には、その土地ならではの魅力を楽しみつつ、自然の厳しさについても考えてみるとよいかもしれません

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