貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

秋鮭、銀鮭、紅鮭、時鮭、何が違うの?

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北海道の増毛(ましけ)という所に行ったときに、鮭の遡上を初めて見ました。何千匹もの鮭がバシャバシャと泳いでいる姿は壮観です。とはいえ鮭にしてみれば命がけで子孫を残そうとしているのでメチャクチャ必死に泳いでいるんですが…。ちなみに鮭の体内にある卵の数は約1000~6000個と個体差があるのですが、一回で約500~2000個程度の卵を放出し、場所を変え数回に分けて産卵するようです。

 

本題に戻って、この北海道の川に戻ってきた鮭は何鮭になるのでしょうか?秋鮭、銀鮭、紅鮭、時鮭?どれでしょうか。

 

正解は秋鮭です。北海道では、鮭は秋になると産卵のために戻ってくるので「秋鮭」と呼ばれています。しかし本来は「白鮭」のことで、日本で代表する鮭といえばこの白鮭になります。日本に遡上(産卵のために川を昇ってくること)してくる鮭は、白鮭だけです。

 

では「銀鮭」は何でしょうか?チリ産と書かれている鮭はこの銀鮭になります。天然の鮭を獲って輸出しているのではなく、養殖のものになります。養殖銀鮭の特徴は、脂が乗っており(脂の含有量が多くなるように養殖している)価格が安いことですが、身の締りは他の鮭に比べてあまりよくありません。しかし脂の乗りがいいので、刺身でも美味しいです。

 


続いて「紅鮭」についてです。紅鮭は主にロシアやアラスカやカナダなどへ帰る鮭で、身体は美しい紅色をしていて上質な味わいで高級な鮭です。成熟するにつれ、オス・メスともに、頭部を除く全身が紅色になり、遡上前後はより鮮やかな紅色に染まっていくので紅鮭と呼ばれています。天然紅鮭は、身の締りはいいのですが、脂の乗りが養殖物に比べると劣ります。なぜなら産卵のため遡上してきたものを獲るからです。これはアラスカ産が多いです。ロシア産のものは産卵前に獲るため身の締りもよく、脂の乗りも良いです。もちろんアラスカ産のよりも美味しいです。価格は銀鮭の数倍はします。

 

「時鮭」というのも紹介します。白鮭の旬は秋(北海道では)ですが、旬ではない春から夏にかけて採れるものを「時知らず」と言います。最近では「時知らず」が省略されて「時鮭」と呼ばれるようになりました。ロシアの河川で生まれ、海で回遊中に日本の近海で漁獲されたものです。卵巣や精巣に栄養が取られていない分、大変美味しい鮭です。

 

このように、私達が食べている鮭は「白鮭」「銀鮭」「紅鮭」と種類が違うものだったんです。秋が旬の「秋鮭」と初夏に獲れる「時鮭」は「白鮭」の事でした。こんどスーパーに行ったときに、普段食べている鮭が何の種類なのか見てみるのも面白いですね。

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