皆さんは、今家に住んでいますか?ほとんどの方が持ち家もしくは賃貸の家に住んでおられるでしょう。しかし中には路上で寝泊まりするいわゆるホームレスの方もいます。今年、東京都の調査によって定住する住居を持たずに、インターネットカフェなどに宿泊する人が、東京都に1日約4,000人いると見られることが分かりました。これらの人たちを「住居喪失不安定就労者」と呼びます。簡単に言えば「ネットカフェ難民」のことです。
「住居喪失不安定就労者(以下ネットカフェ難民)」は、インターネットカフェだけでなく、漫画喫茶、サウナなどで寝泊りしながら不安定就労(派遣、契約社員、パート、アルバイト等)に従事する人たちのことです。ネットカフェ難民の1か月の収入の半数近くが、15万円以下です。
年代別のネットカフェ難民の割合は30代が最多で、続いて50代が続きます。意外にも20代の利用は少ないんですね。
・20代 11.8%
・30代 38.6%
・40台 17.4%
・50代 28.9%
・60代以上 2.2%
20代は仕事が見つけやすくネットカフェ難民から脱却しやすいと推測できます。しかし50代ともなると日雇いの仕事も見つけるのが難しいので長期滞在者が増えていくのだろうと考えられます。
安い店の料金だと24時間利用(30日以上利用)で約2000円、その中には水道光熱費、飲み物、ネット料金も含まれています。シャワーや洗濯は別料金とはいえ、都内において約60000万円でひと月生活できてしまうのはすごいですね。都内一等地のワンルームの相場が平均10万円程度で、水道光熱費やネット代を含めるともっと費用が膨らんでしまいますので、お金のない方にとってネットカフェは大きな味方ですね。
ネットカフェ難民になった理由としては、「仕事を辞めて家賃等を払えなくなった」が32.9%、「仕事を辞めて寮や住み込み先を出た」21.0%と、仕事を辞めたことで同時に住居を失った人が53.9%にも上ることが分かります。
地方ならネットカフェで1か月いるよりも、賃貸のアパートを探した方が安上がりでしょう。プライバシーや安心感も得られます。しかし都内となるとそれらよりも安さが優先されてしまうのでしょう。また、都内であれば仕事も見つけやすいですし、交通の便もとてもいいのでネットカフェ難民に重宝されているのだと思います。
住居がないと、就職活動をしようにも履歴書に書ける住所がありません。また初期費用を貯蓄しようにもできず、現在の状況から抜け出しにくい実態が見えます。世の中、人手不足と言われてはいますが、需要と供給のバランスを取るのは難しいですね。今日はネットカフェ難民の実情についてお伝えしました。