小京都という言葉を聞くことはあるでしょうか?「京都に似たような場所でしょ!」と漠然と思っていませんか?確かにその通りです。しかし京都の街並みに似ていれば小京都というわけではありません。では、小京都とは何でしょうか?どこが小京都に該当するのでしょうか?
京都に都(みやこ)が置かれていたのは江戸時代よりも前です。ですから江戸時代以前のたたずまいが残る街が小京都になり得そうですね。しかし古ければ小京都になるわけではありません。
小京都と呼ばれる地域が集まる団体として「全国京都会議」が存在します。どこの自治体でも入れるものではなく、加盟基準が設けられています。全国京都会議への加盟基準として3つの項目があります。
(1)京都に似た自然景観、町並み、たたずまいがある
例:埼玉県嵐山(らんざん)町。京都の嵐山に似ていることからこの地名が付けられています。
例:福井県大野市。山頂にそびえる天守と碁盤の目状の町並み、寺町通りや七間朝市など、400年を超える歴史を彷彿とさせる景観を今も色濃く残していることから、「北陸の小京都」と呼ばれています。
(2)京都と歴史的なつながりがある
例:高知県四万十市の中村地区。室町時代の応仁の乱の戦火を避けるために前関白の一條氏が移り住み、京に模した町を造りました。この中村氏は公家から武家化した数少ない戦国大名となりました。祇園、鴨川、東山などの地名があります。
(3)伝統的な産業、芸能がある
例:埼玉県小川町。町の中央を清流が流れており、小川和紙は1300年の歴史があります。また酒造、裏絹など伝統産業で古くから栄えた場所です
上記の3つの要件の1つ以上に合致しておれば常任幹事会で加盟を承認されるとのこと。ですから、小京都というのは街並みが京都に似ている、だけではないんですね。
最後に、代表的な小京都をピックアップしてみます。
・秋田県角館市―佐竹氏の城下町として栄え、武家屋敷が立ち並ぶ風景は圧巻です。
・新潟県加茂市―桐たんすの産地として有名で、賀茂川が流れる自然豊かな北越の小京都です。
・岐阜県高山市―寺町や商家が並び、町中が博物館のよう。
・鳥取県倉吉市―白壁土蔵や赤瓦の建物群が残る歴史ある町。
・島根県松江市―宍道湖と大橋川に囲まれた歴史と文化の香り漂う城下町。
・広島県竹原市―清水寺そっくりの西方寺があり、歴史散策が楽しめる海辺の京。
・愛媛県大洲市―歴史ある蔵屋敷を持つ、伊予の小京都
・佐賀県小城市―清水と花とホタルで彩られた、京都を模して造られた城下町