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なぜ埼玉以北は関東平野が広がっているのに神奈川や東京のように家が密集していないの?

埼玉県川越市

関東平野はとても広く、関東一都六県にまたがる日本最大の平野です。平地を活かしてたくさんの建物が建ち、多くの人が住んでいます。しかし、埼玉県北部から群馬、栃木などは家の数が少なくなっています。東京から遠いという理由はありますが、その他にも家が密していない理由があるのでしょうか。その点を考えてみたいと思います。

 

歴史的な違い

埼玉県は古くから農業が盛んな地域でした。江戸時代には、関東の米どころとして知られており、幕府や江戸市民に米を供給していました。一方、神奈川県や東京都は、江戸幕府の政治・文化・経済の中心地でした。多くの武士や商人や職人が住み、城下町や港町として発展しました。明治維新後も、神奈川県や東京都は日本の首都として、政治・経済・文化のリーダー的な役割を果たし続けました。埼玉県は、農業から工業への転換が遅れたため、人口や経済力では劣っていました。

 

地理的な違い

埼玉県は県の南部を除いて山地や丘陵が多くあります。これらの地形は、水源や灌漑に有利でしたが、開発や交通には不利でした。また、埼玉県は海に面しておらず、海運や貿易にも不向きでした。一方、神奈川県や東京都は関東平野の南部に位置し、平坦な土地が広がっています。これらの地形は、開発や交通に有利でした。また、神奈川県や東京都は海に面しており、海運や貿易にも向いていました。

 

経済的な違い

埼玉県は農業が主体でしたが、近代化の進展とともに工業化も進みました。しかし、工業化は主に南部の都市部で行われ、北部の農村部では遅れました。また、埼玉県は自前の産業や資源が少なく、隣接する東京都や千葉県などの需要に依存していました。一方、神奈川県や東京都は工業化だけでなく、サービス業や金融業なども発展しました。これらの産業は高度な技術や知識を必要とし、多くの人材や資本を集めました。また、神奈川県や東京都は自前の産業や資源だけでなく、国内外からの流入も多くありました。

 

加えて、埼玉県は農地を保全するために市街化調整区域が多く設けられてもいます。市街化調整区域というのは、市街化を抑制する地域で、農地が減少するのを防ぐ役割があります。つまり、人が住宅や商業施設などを建築することは原則認められていないエリアになります。埼玉県の北部はこの市街化調整区域が多いため、家を建てたくても簡単には建てられないのです。

 

以上のように、埼玉県と神奈川県や東京都は歴史的・地理的・経済的な違いが大きくあります。これらの違いが影響して、埼玉以北は関東平野が広がっているのに神奈川や東京のように家が密集していないという現象が起こっているんですね。

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