貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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箱根の芦ノ湖にある海賊船 どこからやってきたの?

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芦ノ湖にある海賊船

箱根と聞いたら皆さんは何を思い浮かべますか?温泉や黒玉子、箱根登山鉄道や箱根駅伝などイメージするかもしれません。年間を通してたくさんの観光客がやってくる場所でもあり、観光名所やリゾート施設が多く点在し、見どころも多いのが特徴です。箱根には湖があります。名前は芦ノ湖(あしのこ)といい、芦ノ湖は山の上にある湖で水面の標高が723mにあるカルデラ湖です。その湖にひときわ目立つ船があります。それが海賊船(帆船型旅客船)です。この遊覧船はどこで造られたのでしょうか。

 

もし湖が海とつながっているのであれば、川を通して湖に運ぶことができます。しかし芦ノ湖は山の上にありますが、箱根駅伝でも分かる通りかなり急な坂になっていて勾配がきついことが分かります。早川が芦ノ湖から流れてはいますが、遊覧船を川から運ぶことは出来ません。

 

実は、遊覧船はトラックやトレーラーに載せられて運ばれてきます。といっても330トンもある大きな船(長さ 35.0m × 幅 約10.0m × 深さ 約2.95m)をトラックに載せられるわけがありません。各パーツに分けられて運ばれてきます。

 

各パーツを造っているのが横浜市の鶴見にある造船所です。ジャパンマリンユナイテッド鶴見工場から深夜にひっそりと芦ノ湖に各パーツを運んでいたのです。その後、芦ノ湖の湖畔にある桃源台港の乗り場のすぐ横に桃源台船舶工場があり、そちらで造船工場から運ばれてくる部品を組み立てて建造しています。

 

海賊船がはじめて芦ノ湖にデビューしたのは1964(昭和39)年7月で、オリンピックや新幹線開通と同じ年のことです。現在は3隻稼働していますが、これまで6隻が建造されているようです。そして7隻目の一番新しい船は2019年4月から営業を開始した「クイーン芦ノ湖(QUEEN ASHINOKO)」というものです。

 

内装を見て「おや?」と思ったのですが、鉄道好きの方ならお馴染みの水戸岡鋭治さんがデザインした船でした。船体は黄金色を基調としていて、船首には古代ギリシャの「サモトラケのニケ」像をモチーフとした女神像がおり、海賊のオッサンたちが醸し出す暑苦しさはありません。むしろ名前にも表れているようにクイーン(女王)の風格や優雅さが表現された船になっています。

 

2020年からコロナウイルスが流行するようになって、外国人を含め観光客が大幅に減少しました。箱根に以前のような観光客が戻ってくるのはもう少し先になりそうですが、芦ノ湖のシンボルとして頑張ってもらいたいと思います。

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