貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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なんでバスはガソリンではなくディーゼル入れるのか

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水素で動く燃料電池バス

皆さんはガソリンスタンドに行って給油する際は「レギュラー」を選択する方が大半ではないでしょうか。高級車やスポーツカーに乗られる方なら効率的に燃焼し強い力を発揮する「ハイオク」を選ぶことでしょう。しかしレギュラーもハイオクも同じガソリンですが、「軽油(ディーゼル)」はガソリンとは別物で、軽油を燃料とする車種以外は、軽油が使えない構造となっています。

 

バスはディーゼルが主流です。乗用車はガソリンを入れるのに、なぜバスはディーゼルなのでしょうか。

 

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べると、パワーがあり、経済的で、丈夫です。バスは多くの人を乗せるのでパワーが必要になります。高い出力を出すためにエンジンを大排気量化しなければなりませんが、ディーゼルエンジンなら比較的簡単に行うことができパワーを得やすい構造となっています。

 

またバスは1日に何百キロも走行しますので経済的なものでなければなりません。ディーゼルエンジンは熱効率がとてもよく、ガソリン価格に比べると安いので経済性に優れています。たくさん燃料を入れるバスにはその価格差は大きいですね。

 

加えて、ディーゼルエンジンは丈夫で、故障が少なく長持ちします。バスは毎日長時間走りますので丈夫であることはとても重要です。ガソリンエンジンの寿命はおよそ10万キロくらいですが、ディーゼルエンジンは100万キロでも走るものもあります。

 

このように考えるとバスにとってはディーゼルエンジンしか選択肢が無いですね。しかしディーゼルエンジンは窒素酸化物や大気汚染ガスが出やすいという性質があります。昨今、環境問題が叫ばれる中、各企業は経済性だけでなく環境に関しても考えなければなりませんので悩みどころではないでしょうか。

 

近年、水素で発電する燃料電池バスが登場しています。特徴として、水素と空気中の酸素の化学反応で発電した電気を動力とするため、走行時に二酸化炭素や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を有しているバスです。都バスや東急バスや京浜急行バスなどで採用しています。しかし水素ステーションの整備が不十分であることや、車体価格と維持費が高いのがネックとなっていますが、これからは国としてカーボンニュートラル(二酸化炭素を出す量と吸収する量が同じ)を推し進めるために、こういった環境に優しいバスになっていくことでしょう。数十年後にはバスも様変わりしているかもしれませんね。

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