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海上保安庁と海上自衛隊ってどう違うの?

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海上保安庁 巡視船

ここ数年、尖閣諸島沖に中国海警局の船が入ってきて、対応に苦慮しているという報道がなされます。中国海警の船がやってくるたびに海上保安庁の巡視船が対峙しなければなりません。また中国側は武器使用も許されていますので場合によっては一触即発の危険もはらんでいます。なぜ海上自衛隊が対応するのではなく、海上保安庁なのでしょうか。

 

この2つの組織は海で行動しているので似ているようにみえるが、全く異なる組織です。確かに両方とも武装艦船を保有している点では一緒ですが、目的や性格は違っています。

 

最初に海上保安庁を考えましょう。海上保安庁は国土交通省に属しており、海の警察&消防組織です。この組織は軍隊ではありません。簡単に言えば、陸上での「警察・消防」と「陸上自衛隊」との関係と同じようなものです。軍隊ではないので海上保安庁の艦船は軽武装ですし、海上自衛隊の船と比べると小さめです。平時で活躍するのはこの海上保安庁で、領海侵犯に対処したり、フェリーで火災が起きれば急行したり、民間の海難事故の救出に向かうのも海上保安庁の船になります。中国の海警船に対応するのはこちらになります。また、水路の測量、海図の作成、灯台などの航路標識の建設、運用なども行います。

 

対して海上自衛隊は、防衛省に属し、国家の防衛を担います。武力攻撃からの防衛が主な任務で、自衛隊と謳っていますが世界標準でみれば海軍でしょう。ですから艦船にはミサイルや大口径の砲などを搭載しています。しかし戦時でなければ専ら訓練をしています。公共の秩序の維持という名目で災害発生時の救助活動や復興支援なども行っています。洋上で本格的な任務につくのは、海上保安庁が手に負えないような国際的な事件が起きた時です。有事ともなれば海上自衛隊に命令が下り、護衛艦が現場に向かいます。

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海上自衛隊 護衛艦

海上保安庁の船と海上自衛隊の船をどう見分ければよいのでしょうか。実はすぐに見分けることができます。海上保安庁の船は白を基調としているのに対し、海上自衛隊の船はグレーです。ここら辺も軍隊を思わせる色使いですね。

 

両方とも海が主戦場なので、陸上にいる私たちが普段接する機会はほぼありません。陸上で勤務されている方もいますが、活動を垣間見るということはまずないでしょう。しかしどちらの組織も与えられた任務を遂行するために日々訓練し、危険と隣り合わせで私たちの生活を守ってくださっています。働きに感謝したいと思います。

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