貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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土葬や火葬は分かるけど「水火葬」ってなに? メリット・デメリットは?

日本では、亡くなったあと火葬してもらいます。他の国では、遺体をそのまま埋葬する土葬、遺体を海や川に葬る水葬、鳥に食べてもらう鳥葬などがあります。さまざまな方法がある中で、今回は水火葬というものを紹介します。あまり聞き慣れない処理の仕方ですが、海外では環境に優しいとして注目されています。では、水火葬とはどんなものなのでしょうか。メリットとデメリットを紹介します。

 

水火葬とは、遺体を水とアルカリ性の液体に浸し、加圧して分解する葬儀方法です。圧力によって分解スピードは異なりますが、150度くらいにしたら1,2時間程度で遺体は分解されます。もしエコを目指すなら加圧しないで行なう事もできます。その際は分解するのに24時間かかるようです。

 

・水火葬のメリット

水火葬の最大のメリットは、環境への負荷が少ないことです。通常の火葬では、遺体を高温で焼くために大量の燃料が必要で、二酸化炭素や有害物質を排出します。また、歯科用金属や人工関節などの金属製品も焼却されるため、資源が無駄にもなります。水火葬では、遺体を水とアルカリ性の溶液に浸し、分解します。この過程では、燃料や排気ガスは発生しません。発生する二酸化炭素は火葬の4分の1で、必要なエネルギーも8分の1にしかならないのです。加えて、金属製品は溶けずに回収できるため、再利用やリサイクルが可能です。

 

・水火葬のデメリット

水火葬の最大のデメリットは、日本ではまだ認知度や受け入れ度が低いことです。水火葬は欧米やカナダなどで開発された技術であり、日本では法的にも宗教的にも認められていません。そのため、水火葬を希望する場合は、海外に遺体を送る必要があります。これには時間や費用がかかりますし、家族や親族との別れも難しくなります。また、水火葬に対する偏見や誤解も多く、伝統的な風習や信仰との相容れなさを感じる人もいます。

 

水火葬のもう一つのデメリットは、遺体の扱いに不安や不快感を覚えることです。通常の火葬では、遺体はそのまま焼かれるため、骨だけが残ります。しかし、水火葬では、遺体は骨と金属を残してすべて液体化されます。この液体は強アルカリの液体なので、酸性のものを入れて中和して下水に流します。この行為が遺体への敬意や愛情が失われると感じる人もいます。要は汚水として流すということです。

 

中和したとはいえ汚水を流すのはエコなのかどうかは意見が分かれるでしょう。また、親しかった人が排水処理されるのを容認できるかどうかといった問題もありますね。そもそも亡くなった時にまでエコを考える必要があるのかといった意見もあります。しかし、様々なお別れの仕方があるということで、海外では葬儀における選択肢の1つになっているようです。

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