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イージス艦ってどんな船なの? 日本にもあるの?

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イージス護衛艦こんごう

時おりニュースで耳にする「イージス艦」。なんだか強そうな名前ではありますが、どんな船なのかは分からない方も多いのではないでしょうか。今回はイージス艦とは何かを考えてみたいと思います。

 

そもそもイージスとは何でしょうか。ギリシャ語から取られていて「盾」を意味しています。盾という言葉から分かるように防御に特化した船といえるでしょう。何からの防御かと言うと空からの攻撃に対してです。他国からミサイルが撃ち込まれたらすぐに撃ち落とすために作られた船になります。

 

1904年から始まった日露戦争では、ロシアのバルチック艦隊と東郷平八郎率いる連合艦隊が日本海(対馬沖)で戦うことになりました。この海戦は艦隊VS艦隊の戦いでした。当時の海の王者は戦艦をはじめとする大型軍艦でした。しかし第二次世界大戦ではどうでしょうか。日本海軍とアメリカ海軍が激戦を繰り広げているうちに海の王者は戦闘機に変わっていきました。空からの攻撃に対して船は脆弱だったのです。

 

アメリカ海軍は空からの攻撃にどう対処するかを悩んでいました。戦後もソ連の対艦ミサイルがアメリカの艦隊を常に狙っていたため、それら撃ち込まれるミサイルに対しての防衛システムが急務になっていたのです。そこで開発されたのがイージス・システムでした。多数の目標を同時に捕捉し、追尾し、迎撃することができる船なのです。

 

日本においてもこの高度な情報処理能力や対空戦闘能力を持つイージス・システムを導入することにしました。1993年に就役した護衛艦「こんごう」型は、海上自衛隊で初めてイージス・システムを搭載した艦となりました。同時にアメリカ海軍以外で初めて保有されたイージス艦でもあり、日本の艦隊の防空に加え、日本列島全体の防空を担う存在になりました。

 

現在日本におけるイージス艦は「こんごう型」4隻、「あたご型」2隻、「まや型」2隻の計8隻が就役しています。この数は世界2位の保有数となっています。さらに、日本政府は陸上配備型迎撃ミサイルシステム(イージス・アショア)の代替策として、海上自衛隊向けの新型イージス艦2隻の建造を決めましたので、数年後には2隻追加され計10隻になります。ちなみに1位はアメリカ海軍で保有数は90隻を超えています。ダントツですね。

 

イージス・システムは最高の防空戦闘システムで、このシステムを導入するにはアメリカから供与を受けるしかなく、海上自衛隊が保有するイージス艦も、アメリカから供与されたものです。値段がとてつもなく高く、最新の「まや型」は1隻あたり1,720億円です。しかしお金を払えばどの国でも使えるというものではなく、アメリカが信頼できると判断した国だけに供与しているシステムでもあるのです。

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