貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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なぜ日本人は海軍びいきなのか? そこにはある戦争が…

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戦艦三笠で指揮を執る東郷平八郎ら 写真はwikipediaから参照

現在の日本にあるのは自衛隊ですが、かつては陸軍と海軍がありました。つまり軍隊です。第二次世界大戦で負けるまでは2つの軍隊がありました。政治的発言力は陸軍の方が上でしたが、圧倒的な人気があったのは海軍でした。なぜなら陸軍軍人のように政治への口出しが少なく、大海原を航海して外国語を駆使するのが、スマートで解放的なイメージを受けたのかもしれません。もちろん海軍の中にも政治軍人はいましたし、当時の陸軍軍人にも外国語が堪能だった人もいます。それでも人気だったのは海軍でした。

 

陸軍は政治に対する発言力の強さゆえ高圧的なイメージを持たれています。また、大日本帝国陸軍に第二次世界大戦にかけての日本の軍国主義化、日中戦争の拡大、国際政治における孤立、および太平洋戦争(大東亜戦争)の開戦と敗戦の全責任が陸軍にあるという「陸軍悪玉論」を主張する人もいます。でも全ての責任が陸軍にあるわけではないでしょう。

 

どうしても当時の陸軍にアレルギーを持つ方は少なくありません。では、海軍が人気なのは陸軍が高圧的だったからでしょうか。そうとも言い切れません。海軍びいきになった出来事があります。それが1904年に起こった日露戦争です。多くの国は強国ロシアが勝つだろうと予測していました。しかし日本は予想以上に善戦します。その中でも特筆すべき戦いが「日本海海戦」です。

 

ロシアのバルチック艦隊を東郷平八郎率いる日本海軍の連合艦隊が迎え撃ちます。この戦いで東郷は丁字戦法(東郷ターン)という作戦を使いバルチック艦隊を完膚なきまでに壊滅させました。これが日露戦争の勝利を決定づけるものとなりました。世界中から東洋の奇跡とまで言われ、それを聞いた日本人は熱狂しました。当然、東郷平八郎も英雄として祭り上げられ、日本人の海軍びいきは決定的なものとなっていったのです。

 

陸軍はというと、旅順要塞を攻略したり、日本海海戦の2か月後に奉天会戦でロシア軍を破っています。それでも民衆は日本海海戦の勝利の方が、喜びが大きかったとのことです。

 

今でも、海軍の方が好きと言われる方は多いでしょう。戦艦大和など多くの人を魅了する巨大な船を用いていますし、戦うのも人ではなく船ですので、そういった面も影響しているのかもしれません。戦争を経験していない世代は、好き嫌いで物事を決められますが、当時の軍人さんは命を懸けて無我夢中で戦っていましたから、どちらが良い、悪いを言うのは失礼なのかもしれません。

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