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なぜプロ野球の親会社は鉄道会社が多かったのか?

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阪急電車

日本のプロ野球は、セ・リーグ6球団、パ・リーグ6球団の計12球団が存在しています。若い方であれば、今ある12球団がずっと同じ親会社だと思っている方もいるのではないでしょうか。しかし昔と今では親会社がかなり変わっています。

 

昔は鉄道会社が球団を所有している率が多かったのですが、現在は西武ライオンズ(西武鉄道)と阪神タイガース(阪神電鉄)ぐらいです。すでに無くなった鉄道会社の球団としては↓

 

西日本鉄道:西鉄ライオンズ(現在の西武ライオンズ)

近畿鉄道:近鉄バファローズ(現在は消滅)

南海電鉄:南海ホークス(現在のソフトバンクホークス)

阪急電鉄:阪急ブレーブス(現在のオリックスバファローズ)

東急電鉄:東急フライヤーズ(現在の日本ハムファイターズ)

国鉄:国鉄スワローズ(現在のヤクルトスワローズ)

 

鉄道会社が親会社だった6球団が消滅しています。なぜ鉄道会社が球団の親会社として多かったのでしょうか。鉄道会社は自社路線の沿線を開発することで沿線の住民を増やし、地価を上げることで企業規模を拡大していきました。そのため、各鉄道会社は沿線に百貨店やスーパーを設置したり、娯楽施設を建設してゆきました。プロ野球も娯楽の一つとして目を付けた鉄道会社により、経営されていきます。

 

このモデルを確立したのが阪急の生みの親、小林一三です。何もなかった沿線に人を誘致するのではなく、創り出すという発想で、宅地を開発し、学校や病院、商店や果樹園、大学などを誘致していきます。そして梅田(大阪)に世界初のターミナルデパート阪急百貨店を作り、沿線の人が買い物をしに阪急電車を使い梅田に向かうようにし、梅田から逆方向にはエンターテインメント施設を設け、多くの人が阪急電車を利用するようにしました。その代表が宝塚線の終点にある宝塚歌劇団(当時は宝塚新温泉)や、阪急ブレーブスの本拠地の阪急西宮球場です。このようにして阪急というブランドイメージを高める&自社路線を利用してもらうために阪急は球団の親会社になったのです。

 

しかし時代は車社会になり、鉄道を使って球場に行く人も減少していきました。そして何より本業の鉄道事業の経営が悪化したため、球団を手放さないといけなくなりました。そもそも関西に阪神、阪急、南海、近鉄もの4球団があれば客の奪い合いになってしまいます。阪神は初期のころからいる古参球団で、セ・リーグということもあってお客も多かったですが、残りの3つはパ・リーグで現在のように人気ではありませんでした。時代と共に球団を持つことが苦しくなっていったのです。

 

現在の西武ライオンズは、関東唯一の鉄道会社の球団です。数年前から名前も「埼玉西武ライオンズ」に変更し、埼玉に密着した球団として歩んでいます。鉄道好きとしては阪神と西武には親会社を頑張って続けてほしいと願っています。

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