貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

宇宙飛行士って、船外活動をしている時にトイレに行きたくなったらどうするの?

写真はWikipediaから参照 船外活動中の宇宙飛行士

宇宙には夢とロマンが詰まっているので、将来は宇宙飛行士になりたいと夢見る方も多いでしょう。それでも宇宙空間では地上とは異なり制約される部分も多く、我慢や忍耐も強いられています。今回はトイレ事情について考えたいと思います。

 

宇宙空間で生活している場所はISS(国際宇宙ステーション)と言われるところで、ここは地上から400kmも離れた上空に建設された有人実験施設になります。サッカー1面分くらいの大きさなので意外に大きいですね。

 

ISS内にはちゃんとトイレはあります。尿であれば尿処理装置に送られ、汚水タンクに溜められていきます。水が不足した場合は尿処理装置と水処理装置を使って飲料水にリサイクルできるそうです。対して大便の場合は、便器の内側にバックを装着し、し終わった後に固形排泄物タンクに入れ、新たなバックを便器に取りつけます。

 

では、船外活動の際にトイレに行きたくなったらどうするのでしょうか。船外活動をする時など6時間以上トイレに行くことができない場面があります。そのため宇宙飛行士が船外活動をする際にはオムツを着用しなくてはいけないことになっています。確かに6時間我慢できない時があるので、納得いく理由です。

 

なぜオムツを付ける必要があったのかというと、きっかけがあります。1961年のことですが、アメリカ初の有人宇宙飛行を成し遂げた宇宙飛行士アラン・シェパードが宇宙服を着ている状態で尿意を催しました。発射してから宇宙空間に一瞬だけ入って、地上に戻る工程だったので、全飛行時間は15分程度です。それでも我慢することが出来ませんでした。

 

その後、彼は宇宙服を着たままおしっこを漏らしてしまうのですが、この宇宙服というのは内部に電子機器が付いていたため、宇宙服の内部が尿まみれになったことで電子機器が故障してしまいました。この出来事以降、宇宙服を着る際にはオムツの着用が義務づけられたのでした。

 

やはり訓練を受けた宇宙飛行士とはいえオムツを付けるのには多少なりとも抵抗があると思います。そのため、現在NASAではトイレ機能付きの宇宙服を開発しています。今後、トイレ問題が解決されて、少しでも飛行士たちの心理的ストレスを解消できるといいですね。

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