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なぜ政府専用機は必ず2機が一緒に飛ぶの?

写真はWikipediaから参照 初代政府専用機 ボーイング777-400

政府専用機は、天皇陛下や総理を含む要人たちが海外に行く時や、国際会議に出席するときに用いられる飛行機です。テレビで映し出されるのは1機だけですが、実際は2機用いられています。なんでそんなもったいないことをしているのでしょうか。今回はその点を考えます。

 

かつて、外国訪問時にはJALとANAが交互に飛行機を提供していました。しかし、1991年にようやく日本初の政府専用機が誕生しました。機体整備やサービス提供などは日本航空(JAL)が戦後一貫して行なっていましたが、現在は全日空(ANA)になりました。

 

そして初代の機体は「ボーイング747-400」が用いられ、尾翼には大きな日の丸があしらわれています。ジャンボ機の愛称で知られている飛行機です。なぜこの機種が選ばれたのかというと、ボーイング社が世界の政府専用機の8割を供給しており、その実績を買われたからと言われています。数十年前までは日本の空をジャンボジェットがたくさん飛んでいましたね。

 

その後、現在運用されている2代目となる機種は「ボーイング777-300ER」になりました。通称トリプルセブンと言われる大型機です。初代のボーイング747と比べて燃費が向上し、かつ最大航続距離が長くなるなど、使い勝手がよくなった機体といえるでしょう。

 

専用機の内装は特別な仕様となっており、首相執務室や事務室、会議室、記者会見のための部屋などが備えられています。同行する記者のための座席も備えられています。

 

使用する空港は羽田空港です。皇居や首相官邸も羽田空港の近くにあり、移動が便利で警備もしやすいためです。外国要人が訪日する際も同様で、羽田には専用駐機場が整備されています。

 

機内サービスやパイロットはANAが担当しているのかというとそうではなく、航空自衛隊の自衛官が担当しています。北海道の千歳基地に所属する特別航空輸送隊が行なっています。専用機は普段は千歳基地に駐機していて、海外フライトの日程に合わせて羽田にやって来ます。

 

その際、常に2機が一緒に飛ぶ体制となっています。これは、万が一の故障などに備えた予備機で、日程が狂わないようにしているのです。首脳外交はたくさん行事が詰め込まれているため、定時運行がとても大事になってきます。その日程を支えるためには、政府専用機が2機必要となっているのです。

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