貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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第二次世界大戦・太平洋戦争・大東亜戦争の違いは?

サイパン:スーサイドクリフ

皆さんは、「第二次世界大戦」「太平洋戦争」「大東亜戦争」という言葉を聞いたことがあるでしょう。これらの用語は、歴史の授業や教科書でよく耳にするかもしれませんが、なぜ3つもの言葉があるのでしょうか。今回はその点を考えていきたいと思います。

 

まず、「第二次世界大戦」について振り返ってみましょう。これは1939年から1945年までの間に、世界各地で繰り広げられた大規模な戦争を指します。1939年にドイツ軍がポーランドへ侵攻し、イギリスとフランスがドイツに宣戦布告したことで勃発しました。ナチス・ドイツ、日本、イタリアなどの枢軸国と、イギリス、アメリカ、ソビエト連邦などの連合国との間で争われました。この戦争は、世界中で多くの国や地域が巻き込まれ、数千万人もの犠牲者を出すほどの大惨事でした。

 

次に、「太平洋戦争」についてです。これは第二次世界大戦の一部として位置付けられ、特に太平洋地域での戦闘を指します。1941年に日本がアメリカの真珠湾を攻撃し、アメリカを含む連合国との間で激しい海上および島嶼間の戦いが繰り広げられました。太平洋戦争は、日本がアジア太平洋地域での勢力拡大を目指して展開した戦争でもあります。

 

そして、「大東亜戦争」です。これは日本が使用した用語であり、太平洋戦争の一部として位置付けられます。1931年の満州事変をきっかけに、日本は中国への侵略戦争を開始しました。その後、日中戦争が泥沼化し、さらに東南アジア諸国への進出を図ることで、アメリカとの対立が深まりました。日本は、自国をアジアの解放者と位置づけ、西洋列強の植民地支配からアジア諸国を解放するという名目で戦争を開始しました。大東亜戦争は、日本がアジア太平洋地域での主導権を求めて行った戦争とされています。

 

でも、大東亜戦争という用語は耳にする機会は多くは無いでしょう。なぜなら、日本政府が戦争当時に使った呼称であり、日本がアジア太平洋地域での勢力拡大を目指して戦った戦争を指すものでした。加えて、大東亜戦争という言葉が、日本の侵略や植民地支配を正当化しようとする試みと結びつけられることもあったので、戦後GHQの命令で禁止されました。かわりに太平洋戦争という呼称を使うよう命令され、今では大東亜戦争という呼称を使う機会は少なくなったのです。

 

簡単に言えば、太平洋戦争はアメリカ側が付けた名称で、大東亜戦争は日本側が付けた名称になります。第二次世界大戦はヨーロッパを含めた広い意味での戦争になります。

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