貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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なぜカナダは強国アメリカに併合されなかったの?

世界一の強国アメリカは軍事力や経済力もありますのでカナダを併合することはたやすく感じますが、実際のところ両国は仲の良い関係を築いています。なぜアメリカはカナダを併合しなかったのでしょうか。

 

歴史的に見れば、アメリカとカナダの間には、数回の紛争や戦争がありました。今の仲の良さを知っていると意外ですよね。最も有名なのは、1812年から1815年まで続いた米英戦争です。この戦争では、アメリカはイギリスの植民地であったカナダに侵攻しましたが、カナダの住民やイギリス軍の抵抗に遭いました。結局、アメリカはカナダを征服することができず、戦争は引き分けに終わったのです。この戦争をきっかけに、カナダの国家意識や愛国心は高まりました。

 

そしてこの戦争以降、アメリカとカナダの間には、大規模な軍事衝突は起こらず、貿易や外交などの分野で両国は協力関係を築いていきます。なぜ攻め込まなかったかというと、アメリカがカナダを攻め込むことは非常に困難であり、非合理的だったからです。

 

まず、カナダは広大な国土を持ち、資源も豊富な国です。アメリカがカナダを占領するためには、膨大な兵力や物資を投入する必要がありました。しかし、そのような行動は、国際社会からの非難や制裁を招く恐れもありましたし、アメリカ自身にも内部分裂や反対運動を引き起こす可能性がありました。

 

さらに、カナダはイギリス連邦の一員で、イギリスの庇護下にありました。昔のアメリカはイギリスから独立したと言っても、今のような軍事力や経済力はありませんでしたので、イギリスと争うのは分が悪いと考えたのです。また、カナダはNATOの加盟国でもあります。アメリカがカナダに侵略すれば、イギリスや他の同盟国との関係も悪化するでしょう。そのようなリスクを冒してまで、アメリカがカナダを攻め込むメリットはなかったのです。アメリカがカナダを攻め込むことで得られる利益は限られています。

 

20世紀に入ると、米国とカナダの関係は大きく変化しました。両国は第一次世界大戦や第二次世界大戦などの世界的な紛争に共に参加し、同盟関係を築きました。また、経済的にも密接に結びつきました。特に自由貿易協定(NAFTA)の締結によって、両国の貿易は飛躍的に増加していったのです。さらに、文化的にも多くの共通点があります。例えば、英語やフランス語の使用や民主主義の尊重などです。このようにして、米国とカナダは友好的で協力的な隣人となりました。

 

以上のように考えると、アメリカがカナダを攻め込まなかった理由は明らかです。それは、アメリカがカナダを攻め込むことが歴史的にも現実的にも不可能であり、不合理であるからです。隣国どうし仲が良いというのはとても良いことですね。

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