皆さんは、自然の豊富な景勝地と聞くとどこを思い浮かべますか。富士山や上高地、阿蘇山や天橋立などを思い浮かべるかもしれません。でも、知られていないが素晴らしい景勝地は世界中にたくさんあります。では、景勝地になる場所とそうでない場所、その違いはどこにあるのでしょうか?美しい景色や歴史のある場所なら必ず景勝地になるのでしょうか?実は、そこにはさまざまな要因が絡んでいます。
まず、景勝地になるための大きな要素は「話題性」です。例えば、ウユニ塩湖(ボリビア)は昔から存在していましたが、SNSで「天空の鏡」として拡散されるまで、観光地としての知名度はそれほど高くありませんでした。一方、世界遺産に登録された途端に人気が爆発する場所もあります。富士山もその一例で、2013年の世界遺産登録後、訪れる外国人観光客が急増しました。
また、アクセスのしやすさも重要です。絶景スポットでも、行くのが大変なら観光客は増えにくいです。例えば、アイスランドの氷河洞窟は魅力的ですが、専門のガイドなしにはたどり着けません。そのため、一部の冒険好きな人には人気ですが、大勢の観光客が訪れるわけではありません。一方、広島の宮島のように、都市部から近い場所は多くの人が訪れやすく、観光地としての成功につながっています。
さらに、「ストーリー性」も重要です。観光地にはその場所ならではの物語があると人々を惹きつけます。たとえば、イギリスのストーンヘンジは古代の謎めいた遺跡として知られ、多くの人がその神秘に魅了されています。日本三景で有名な京都の天橋立は、日本を造ったとされるイザナギという神様が、天と地をつなぐ梯子を架けたのですが、その梯子が倒れてしまい、現在の天橋立の形になったと言われています。
では、景勝地にならない場所はどんな特徴があるのでしょうか?例えば、単に美しいだけの場所では、知名度が上がりにくいことがあります。日本には無名の絶景が数多くありますが、景勝地としては発展していないところもあります。また、地域の受け入れ態勢も影響します。例えば、オーバーツーリズムを避けるため、観光客を制限している場所もあります。スイスの小さな村ムーレンは、美しいアルプスの景色を持ちながらも、宿泊施設が限られているため、大規模な観光地にはなっていません。
結局のところ、景勝地になるかどうかは、その場所の魅力だけでなく、「話題性」「アクセス」「ストーリー性」「受け入れ態勢」などの要素が絡み合って決まるのです。次に旅行をするとき、「なぜここは有名なのか?」と考えてみると、新たな発見があるかもしれませんね。