貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

ボンネットバスが見られなくなったのはなぜ?

皆さんはボンネットバスを見たことがあるでしょうか。とりわけ若い方は見たことが無いのではないでしょうか。私も実際にボンネットバスを見たことがありません。しかしジブリ作品の「となりのトトロ」にも出てきていましたので、どんな感じのバスかはイメージできるでしょう。丸みを帯びたかわいい形をしたバスです。でも、なぜ最近ではボンネットバスが見られなくなっているのでしょうか。今回はその点を考えます。

 

このボンネットバスはいつ頃走っていたのでしょうか。このバスが主に活躍していたのが戦後から1970年代くらいです。現在のような長方形の形をしたバスが登場するまではボンネットバスが主流だったのです。50歳以上の方なら乗ったことがあるかもしれません。

 

ボンネットバスの利点はいくつかあります。エンジンが前方部分に突き出ているのでエンジンの保守がしやすくなります。また、走行していると風が入ってくるのでエンジンを放熱するのも容易になります。加えて、エンジンが前にあることで客室内の騒音や振動が少なくすみます。こうしたメリットを持ち合わせていました。運転手も前面にボンネットがあることで衝突した時でも安全性が向上しました。

 

しかし、ボンネットバスは姿を消します。その理由は、輸送能力が高くなかったからです。運転席の前にエンジンを搭載していますので、その部分は乗客を乗せることができないのです。現在のような後方にエンジンを積んでいるバスは、いっぱいいっぱい人を乗せることができたのです。とりわけ乗客の多い都市部では、ボンネットバスは扱いにくいものとなってしまったのです。1970年代には地方部でも姿を消していきました。

 

でも現在でも場所によってはボンネットバスが走っています。これは観光資源としてボンネットバスを復活させたのです。ボンネットバス乗りたさにその観光地に行く人もいるくらいです。再びボンネットバスに注目が集まったのは東海バスが運行する「伊豆の踊子号」です。文豪の川端康成が書いた「伊豆の踊子」の名前を冠して伊豆の景勝地を走り、人気を博したのです。それに続けと言わんばかりに、全国各地でボンネットバスが観光用バスとして復活したのです。

 

ボンネットバスは今から50年近く前に廃車となっているので、ほとんど保存されていません。そのため、リアエンジンバスをボンネットバスのように改造しているものがあります。つまり現代のバスをわざとノスタルジックに見せているのです。もとは現代のバスなのでエアコンも搭載されています。それでも観光客は喜んで乗っているのです。

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