
「日本人って、なんで英語ができないの?」
この質問、海外旅行先やビジネスの場面で聞かれたことがある人もいるかもしれません。実際、日本は世界でも有数の経済大国でありながら、「英語が通じない国」としてよく知られています。
では、本当に日本人は英語が苦手なのでしょうか?もしそうなら、なぜ?そして、どうすれば変えられるのでしょうか?この記事では、できるだけ具体的なデータを使って、日本人が英語を苦手とする理由を深掘りしていきます。
英語力の現状:データが示す「伸び悩み」
まずは、国際的な英語能力の比較データを見てみましょう。
英語教育団体EF(Education First)が発表する「EF英語能力指数(EF EPI)」では、2023年の調査で日本は113か国中87位。アジアでは**韓国(49位)や中国(82位)**よりも低い順位に位置づけられています。
また、TOEFL iBT(世界的な英語試験)の日本人平均スコアは 約73点(2022年)で、アジアの平均(約85点)よりもはるかに下回っています。
このように、客観的な指標で見ても、日本の英語力は世界的に見て「低め」と言わざるを得ません。
なぜ日本人は英語が苦手?5つの根本的な理由
1. 「読む・書く」に偏った学校教育
日本の英語教育は、長らく「受験英語」が中心でした。文法の知識や長文読解に力を入れすぎて、「話す」「聞く」練習はほとんどありませんでした。
たとえば、中学・高校で合計6年間も英語を勉強しているのに、実際に外国人に話しかけられると固まってしまう…。そんな人が多いのは、使う練習をしていないからなのです。
2. 「間違えてはいけない」という文化
日本では、「失敗=恥」という考えが根強くあります。英語を話すときに間違うことを恐れて、なかなか声に出せない人が多いのです。
でも、言語は「失敗しながら覚える」ものです。英語圏の子どもたちも、最初は文法なんて気にせず、どんどんしゃべります。日本人は完璧を求めすぎて、言葉を使う前に自分を止めてしまうのです。
3. 英語に触れる機会の少なさ
日本は島国であり、街を歩いていても英語が聞こえてくることはほとんどありません。映画も吹き替えが主流で、字幕版を選ぶ人は少数派です。
そのため、耳が英語に慣れる機会が極端に少ないのです。自然と身につける環境がないため、学校以外では英語が「遠い言語」となってしまいます。
4. 発音やイントネーションの壁
日本語と英語は、音の種類も、文のリズムもまったく違います。
たとえば「L」と「R」の違い、「th」の発音、語尾の子音など、日本語にはない音を出すのは難しいと感じる人が多いでしょう。そのため、発音に自信が持てず、話すのを避けてしまう傾向があります。
でも実は、ネイティブ並みの発音は必要ありません。大事なのは、伝えようとする姿勢と、最低限の聞き取り力です。
5. 英語を「教科」としか見ていない
多くの人にとって、英語は「試験のための科目」でしかありませんでした。でも、本来の目的は「コミュニケーションの道具」として使うことです。
英語は本や映画、旅、仕事、人間関係など、世界を広げるための「鍵」なのに、その楽しさや価値を体験する機会が少ないのです。
未来を変えるカギは「楽しむこと」と「使うこと」
では、どうすれば日本人の英語力は伸びていくのでしょうか?
答えは意外とシンプルです。
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英語を「勉強」ではなく「体験」として楽しむ
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毎日少しでも「使う」習慣を作る
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間違いを恐れず、伝えることを大事にする
今はYouTubeやNetflix、英語のポッドキャスト、無料のアプリ(DuolingoやCakeなど)など、英語に触れるツールが山ほどあります。
オンライン英会話も、月額3000円前後で毎日話せる時代です。大事なのは「毎日ちょっとずつ」「自分に合った方法」で続けることです。
結論:日本人の英語力は、変えられる
「日本人は英語ができない国民」というイメージは、もう古いものになるかもしれません。
確かに今までは、教育制度や文化、環境に多くの課題がありました。でも今は、インターネットの力で、世界中の英語とつながることができます。
大切なのは、「完璧でなくていいから、まず話してみる」こと。そして、「伝わる喜び」を体験することです。
あなたが英語を使えるようになることで、世界はぐっと近くなるはずです。
そして、それは決して特別な才能ではなく、「一歩を踏み出す勇気」から始まるのです。