貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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ナローゲージの鉄道のメリット・デメリット

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皆さんは普段鉄道に乗られるでしょうか。JR、私鉄、新幹線など日本各地に路線網が張り巡らされています。これらは大きく分けて2種類の幅のレールが使用されています。JRの在来線など(一部を除く)は狭軌1,067mmの幅のレールを採用しています。近畿日本鉄道や京成電鉄、阪神電気鉄道などの多くの私鉄や新幹線は標準軌と呼ばれる1,435mmの幅のレールを採用しています。

 

1,067mmや1,435mmが主流の中で、762mmのナローゲージ(これも狭軌)の鉄道路線が日本には走っています。そもそもナローゲージとは「軽便鉄道」とも呼ばれており、明治から大正にかけて日本各地、特に地方で多く建設されています。現在、国内で走っている旅客営業しているナローゲージの路線は、富山県と三重県の3つの鉄道会社のみとなりました。

 

・黒部峡谷鉄道本線(富山県)
・三岐鉄道北勢線(三重県)
・四日市あすなろう鉄道内部・八王子線(三重県)

 

三岐鉄道北勢線と四日市あすなろう鉄道内部・八王子線は、もともと近鉄の路線でしたが、赤字が続いていたため廃線もしくは路線バスへの転換が検討されました。しかし沿線住民や自治体の希望によって、北勢線は2003年に三岐鉄道に、内部線と八王子線は2015年に四日市あすなろう鉄道に移管され現在に至っています。

 

黒部峡谷鉄道はもともと日本電力が発電所建設のための資材運搬用として敷設された専用鉄道でした。のちに旅客扱いをしています。公共交通機関と言うよりかは、トロッコ列車を走らせるなど観光資源に重きを置いた路線と言えます。

 

ナローゲージのメリットとして、車両が小さいので輸送密度が高くない地域に適しています。鉄道設備の投資やメンテナンス費用が標準鉄道より安く済みます。また走っている路線が少ないので希少価値があり、観光資源として生かすことができます。

 

デメリットとしては、車両が小さいので混雑時は圧迫感を感じやすくなります。また電圧が低く、レール幅が短いので速度が遅くなってしまいます。それに加えてレールの幅が違うのでほかの鉄道会社との直通運転ができません。ナローゲージの車両を導入している会社が少ないので車両の調達にはコストがかかってしまいます。

 

昔は、全国各地でナローゲージの車両が走っていましたが、今では路線バスにとって代わられています。バスは駅や線路、架線、踏切などの設備が無くて済むので、鉄道と比較しても維持費が掛かりません。道路さえあれば柔軟に走らせることができますし…。ナローゲージの路線が減っているのも分かる気がします。

 

このような理由を考えると、この3つの会社がいつまで走らせているか分かりませんので、是非一度ナローゲージの鉄道に乗ってみられてはいかがでしょうか。希少価値もあり可愛いですよ!

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