首都圏には多くの鉄道会社があり、多くの電車が走っています。数分も待てばバンバン駅に入線してきます。初めて都会に出て来た方は、その車両の多さや長さに驚くようです。しかし、日本の鉄道は貨物などを除けば24時間運転ではないので深夜になればどこかに停まっています。地上を走っているJRなどは外の車庫にいるのが分かりますが、地下鉄はどこで眠っているのでしょうか。
東京には都営地下鉄と東京メトロの地下鉄が走っています。路線図を見ても縦横無尽に張り巡らされた線路を走っていることが分かります。都営地下鉄と東京メトロのHPをみるとかなり多くの車両があることが分かります。
以下は2022年3月時点の数字です。
●都営地下鉄
・浅草線 216両
・三田線 222両
・新宿線 264両
・大江戸線 464両
合計1,166両
●東京メトロ
・銀座線 240両
・丸の内線 330両
・日比谷線 308両
・東西線 520両
・千代田線 398両
・有楽町線&副都心線 542両
・半蔵門線 260両
・南北線 138両
合計2,736両
都営地下鉄と東京メトロの合計車両は3,892両になります。すごい数の車両が走っているんですね。では夜になるとどこにいるかというと、翌朝の一番列車は始発駅に停まっており、その他は留置線(一時的に車両を停めておくための線路)や、車庫に行って停まっています。加えて、両検査修繕施設(修理や点検を行う場所)に行くものもあります。
多くの車両を分散させながら一夜を明かしているのです。中には面白い車庫もあります。例えば、東京メトロ千代田線の代々木公園留置線は代々木公園の地下に存在します。今でこそ千代田線の終点は代々木上原駅ですが、かつては代々木公園止まりだったので、現在でも当時の留置線を使用しています。代々木公園を散歩している人もまさか真下に千代田線が並んでいるとは考えないでしょうね。
代々木公園留置線と同じく公園の地下にあるものとしては、都営地下鉄大江戸線があります。大江戸線の車庫と車両検査修繕施設は木場公園の下にあるのです。やはり都心には膨大な土地を見つけるのは難しいので公園の下に作るのは理にかなっていますね。
都営地下鉄三田線の車庫も凄いところにあります。西代駅の北側にある志村車両検修場の留置線の上には都営のマンションが建っています。施設上部の有効活用のためにマンションが建てられたのです。こちらは車両基地の方が先にできたパターンですね。
このように、都心にたくさんの車両を停めておくのは簡単なことではないんですね。